身体の関係になる前は

それにずーっと憧れていて、

でもプラトニックな関係もまた

楽しめていた。



身体の関係がなくても

楽しめる自分たちが

誇らしくもあった。



夏に一線を越えてから、

ほぼ毎週のように誘われ、

身体を重ねるようになった。



それなのに、

その頻度についていけず

身体の距離に反比例して

心が離れつつある。



よくない関係だ、

と頭がブレーキをかけてきて、



休める時は休んだ方がいいのでは、

と身体がおもりを乗せて来る。



秘密を保持するためにも

戦略が必要なわけで、

週一回の逢瀬となると

理由の捻出も難しいことがある。



危ない橋を渡って

互いに身を滅ぼしては

何の意味もない。



若い恋人同士のように、

全てをなげうって

結ばれたいとは思っていない。



ほどほどの距離で

ほどほどの頻度で

嫌なことは目を背け

楽しいことだけ享受したい。



我儘にもほどがある。

でもそれが不倫だと考えている。



まっとうな人間なら

とっくに足を洗っているか

そもそもこんな沼に足を踏み入れるはずもない。



我儘で自分勝手な関係。

その探り合いとぶつけ合い。