その昔、ラブホといえば

回転式ベッド、赤い照明、

鏡張りの部屋というイメージがあった。



幼少期にテレビで見るそれは

そんなイメージで固定化されていた。



大人になり、

と言ってもギリギリ未成年の頃、

初めて行ったラブホもまたそんな部屋で、

組み敷かれる自分の姿を見て、

現実離れした現実にドキドキしたものである。



時は流れ令和現在、

どうやらそういうラブホはかなり貴重だと知った。



風営法の縛りか、消防法?建築法?

何かわからないが、鏡張りの部屋は

絶滅危惧種化しているそうな。



そのため視覚優位な男性は

今ではお風呂横の鏡前で

女性と致すことも多いと聞く。



しかし、私は見た。

先日のホテルの天井に、

鏡っぽい誂えがあることを。



おそらく鏡そのものではないが、

照明が反射するように、

天井に大きな円形に施されたそれは

真下のベッドの様子がよく捉えていた。



サイズ的に顔は映らず、

首から下が見えつつ、

一部は照明の影で隠れる

そんなほどよい塩梅であった。



そこに映るのは妙に色っぽい我が身と、

さらに上回る色気のある彼の背中。



自分に覆い被さるその背中は美しく、

下半身は繋がっている事実が

自分に対して彼が欲情してくれていることの表れのようで、

興奮以上に感動を覚えた。



はっきり見えすぎないのもまた

お年頃の自分達にはちょうどよくて、

彼にも天井の鏡の存在を伝えた。



ねぇ見て。

あなたの背中、とっても綺麗。

それにね、とってもエロいの。

ああ、だいすき。。。