(昨日の続きです)
外出する、と聞いた母は、
いきなり気が急いてしまうらしく、
普段以上に、
家の中をウロウロしてしまいます。
お茶を入れたりしながら、
少し落ちつこう。
少し座ってて。
・・・と促しても、
そうすることは
本人にとってなかなか難しいようです。
例えばこんなふう。
あれをしなくちゃ。
これをしなくちゃ。
この服じゃだめ。
着替えないと。
ソックスはこれじゃあダメ。
ソックス履き替えなくちゃ。
このバックじゃだめ。
2階に行って取ってこなくちゃ。
こんなバック持って行ったら
〇〇さ~ん、そのバック大きすぎて変ですよ~って
人に笑われるわ。困ったわ~
(誰もそんなこと言わないし、
現にそれは結構な小ぶりのバックだ)
このハンカチじゃだめ。
ええーっと・・・ないわ・・・タオルと歯ブラシ・・・
歯ブラシは新しいものがいいでしょう
(歯ブラシもタオルも必要なし~
お薬をもらいに行くだけだからね・・)
肌着は肌着は新しいのがい~い
それとも洗濯してあったらそれでいい
(入院するわけじゃないから肌着は要らない)
入院誰が
まぁ・・・誰が入院したの
この頃ね、私だって膝が痛くてね・・・
(膝が痛い話は3分に一度は出てきまーす)
この帽子じゃだめ。
それそれもだめ
んそれでもいいけど・・・やっぱりだめ
ソックスはこれじゃあダメでしょ
ソックス、履き替えなくちゃ。
(今さっき履き替えたぞ~)
あれがない
これがない
何を探してるの
ここ(手首)にするやつがないのよぉ
しておかないと時間がわからないから困るわ
ああ・・・、腕時計
そうよ
(もう時計読めないのにな・・・)
腕時計ならそっちで見たよ。
・・・ほらあった
じゃあお母さん、これ(腕時計)付ける
せえへんよ付けないとイケナイの
・・・・
ううん、しなくていいよ~(^▽^;)
お母さん、そろそろ・・・
さっと行ってこようか。
朝早くに私、
診察券を受付に出してきてるからね。
多分すぐに診てもらえると思うよ。
そのままでいいからね。
お母さんはカラダだけ持って行って〜
そうなのカラダだけでいいの
それは楽でいいわぁ~うふふ。( ´艸`)
靴はこれでいいね
靴って
靴履いてアンタどこか行くの
私はね、きょうは用事があるからね、
アンタひとりで行ってく・だ・さい
(用事はないはずだよぉ~)
とまぁ、
こういうのを繰り返しています。
なかなか楽しそうでしょ。アハハ・・・
だから、前日から
「明日出かけるよ。」なんてことは
絶対に言いませんよ
それでも・・・。
暗い顔をして、
病院やお薬を
涙ながらに拒んでいた時期よりは、
今がずっといいです。
(病気が一段階進んだとも言えますが・・)
こんなふうにではありますが、
なんとか今年の春から、
再び通院できるようになりました。
病院に行った帰りは
決まってランチに行くことにしています。
この日はまだランチには早い時間だったので
珈琲を飲みに。
母が、
そごうに長い間行っていないわ、と
最近繰り返し言うので
そごうに来ました。
8階から見下ろす徳島駅前。
小さい街です。
平日の午前中はこんななんですね。
寂しいほど閑散としていて。
大丈夫か!徳島の経済・・・
とおもわず思ってしまいました(笑)。
(皆さん、徳島に遊びに来てね~)
当たり前なんですが、
母はナイフ&フォークが使えなくなっています。
左手の人差し指と中指で、
上からそっとワッフルを押さえて、
右手に持ったフォークをナイフのように使って、
切り切りしていました。
まぁ、それじゃあなかなか切れませんけどね、
なんとか頑張って、
4分の1ほどは食べていたかな。
「切ってあげる」と言っても、
「大丈夫、大丈夫。」とすまし顔の母。
「こっちのほうが切りやすいよ。こうしてみて。」と
右手にナイフを持たせて手を添えてあげると、
「あら、ほんとう。」
それから、
「あなたは何でもよく知っているわね。」と
感心したように
私を褒めてくれました。
傾聴ボランティアを
ありがとう