おーちゃんの思い出 | ラスくんとわるいひつじのブログ and nico・・・

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将来りっぱな牧羊犬になる?までの
ラフコリーのラスくんの奮闘日記と、
わるいひつじの雑記。
そして3年後、妹分ニコが満を持して登場!
更に3年後、ニコのママであるフジコ女史登場!


ひつじです。

昔のことを・・・、話してもいいですか?


ラスクと出会う前、

おーちゃんという黒ラブと一緒に暮らしていました。


おーちゃんは・・・、

なんというか・・・、

思慮深い、・・・といえば聞こえがいいけど

う~ん、

なんとなく要領がわるくて・・・、

健気で、

我慢が似合う(笑)、

とにかく家族にとっては、

まったくあじのある男でした。

お友達が遊びに来て、

写真を撮ったら、

若干、後ろに立つ気の弱さ。

おもちゃはお友達に取られちゃう子でした。

ドッグランではフェンス沿いに匂いを嗅いで回る男。

マイペース。それがおーちゃんです。





最初は盲導犬候補生として我が家にきました。

楽しい1年は瞬く間に過ぎて、

盲導犬訓練所に戻っていったオーブ・・・・。

そののち、

訓練所の犬舎で休んでいるときに

予定外の訪問者に

びっくりして吠えてしまったということで、

盲導犬候補から外されました。

「盲導犬は失格となったのですが・・・・、

介助犬の訓練所から要請があったのでそちらへ回してもよろしいですか。」

と、ある日連絡を受けました。

その時、うちには既に次の盲導犬候補のパピーが来ていたこともあり、

当時は盲導犬パピーとペット犬は一緒に飼えないと聞いていたので、

「おーちゃんは使役犬になるべく育ててきました。

本人も人の役に立つことを望んでいるとおもいます。」

と、こころを鬼にして答えました。

盲導犬訓練所から

介助犬訓練センターへ移され、

再び新たな訓練を受けたおーちゃん。

人を介して・・・・、

おーちゃんは、訓練の中でどうしても缶ペンケースを拾えないらしい、

という話を聞きました。

タオルは拾えるけれど、

缶ペンケースはくわえるのがキライらしくてどうしても拾えない、って・・・。



ある日、電話がなりました。

「介助犬は失格になりました。

しかし、たまたま麻薬探知犬のお話しがあって、

見学に来られた麻薬探知犬の訓練士さんが

オーブのことを気に入ってくださっているのだけれど・・・。」

こんなことってあるんだ・・・・。

・・・・・・・・・・・・。

私達家族はオーブが大好きだったのに・・・、

やはり前と同じ理由で、

その申し出を承諾しました・・・。

成田の麻薬探知犬訓練センターのかたは、

思いがけず、その後マメにお手紙をくださいました。

写真も送ってくださいました。

なんというか・・・、

その写真はただただ真っ黒で、

到底楽しそうにはみえないオーブの姿でしたが、

送ってくださるということは、

訓練士のかたは優しいかたなのでしょう。

ありがたかったです。

けれど、その頃には、

オーブは私たちの手を

離れてしまった子だと、遠く感じていました。

お手紙に、

オーブはアグレッシブドッグとしての訓練を受けている、

と書かれていました。

そうか・・・。

がんばれ、オーブ。

スーツケースの匂いを嗅ぎまわるオーブの姿を頭に描く家族でした。




しばらくたったある日、

盲導犬訓練所から連絡が入りました。

パピーの話かとおもいきや、

「オーブの件なのですが、

その後麻薬探知犬訓練センターから返されてきまして・・・、

今、こちらにいます。

じつはペット犬として引き取りを希望されていた方の家に、

一時引き取られていたんですけれど、

そのかたが年配のひとり暮らしの女性で、

こんな大きな犬はちょっと無理、ということで、

1週間ほどでまた返されてしまったんです・・・。」





もう・・・オーブが不憫で不憫で不憫で不憫で・・・!!!

今まで抑えてきた気持ちが爆発しました。

もう、これ以上は無理。

「うちが引き取ります。」

引き取る以外に選択肢は浮かびませんでした。

今いるパピーと一緒に過ごすことになってもいいかどうか確認し、

盲導犬訓練所からOKの返事をいただきました。

引き取りに行ったとき、

おーちゃんの毛がボサボサだったことに家族一同驚愕。

ボサボサというか・・・、

細くて細くてヒョロヒョロの毛になってた・・・。

撫でるたびにごっそりと抜けるのですから。

相当のストレスだったんだなぁ、と思いました。

もう、愛しくて愛しくて・・・。

この子の毛をぜったい艶々にする!!!

と誓った私でした。メラメラ~っ!




その頃のおーちゃんのことを考えると、

(晩年のおーちゃんも試練があるのですが、それはまた次回・・・)

胸が締め付けられる想いです。

使役犬って、やっぱり明るい天真爛漫タイプの子が向いていますよね。

おーちゃんは、いっけんひょうひょうとして見えるけれど、

じつは人見知りなネクラ男だもんね。

オーブを引き取ったときにいた5頭目のパピーを最後に

私達家族はパピーウォーカーを退きました。



でも、今も好んで私は盲導犬に関係するボランティアを続けていますし、

当時の、盲導犬・介助犬・麻薬探知犬の各訓練センターの対応には

特に不満はありません。

こんなにタライ回しにされて・・・と

当時は悲しくも思ったものですが、

オーブのどこか

いいところが目にとまって認めてくださったのでしょう。

連絡を入れてくださったときに

私達が、かっこつけずに「ちょっとまったぁ~!」と言えば

良かったことですものね。

当時も今も、

オーブのようにあちらこちら渡り歩くような子は

いないと思います。

今、パピーウォーカーをされているかたは

安心してくださいね。



まぁ、しいて言えば、

最後の、年配のかたは・・・、

ラブをよく知ったうえで引き取ってほしかったかな。


というわけで、

晴れておーちゃんは、

我が家の家族となったわけです。

オーブ、3歳前でした。



                         

































バニラくんへ
しかしながらオーブおじさんは、
肥満細胞腫に勝った男なのだよ('-^*)/