石井一成、村祭りの草ムエタイでラジャダムナン主戦場選手下す! | 石井一成 世界王者への道 KING OF MUAYTHAI

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〝スック・ワンパク・ワンパッ〟

2016年3月21日(月) タイ・サラブリ県バンモー郡特設リング

Photo&Text H.soda 記事提供:早田寛

第7試合 セミファイナル
○石井一成(エクシンディコンジムJAPAN/東福岡高等学校2年在学)
×ペットエーク・ソーサクナリン(ルーポンケー)(タイ)
判定

 石井一成が今年のタイ初戦を闘った。場所はサラブリ県バンモ―郡の村祭りのリングだ。これまで、ラジャダムナンやルンピニーでの試合の多かった石井だが、久々の草ムエタイでの登場となった。草ムエタイのリングといえど、試合をマッチメークするのはラジャダムナンプロモーターのギントン氏であり、対戦相手もラジャダムナンで実績のある選手だ。
 相手のペットエークは戦績50戦ほどで35勝してるという実力派で、これまでにラジャを主戦場に闘ってきた18歳だ。試合会場の持つその雰囲気で、どんどん試合の流れ自体までもが変わっていくムエタイにおいて、石井が、この地方のリングでどのような動きをみせてくれるかが楽しみだった。

 試合は初回と2ラウンド、石井はジャブからローを軸に攻めると、ペットエークはミドルで応戦してきた。このミドルがコンパクトでとても素早かったが、石井の右ローもペットエークの急所をとらえており、このままのペースで数を当てればKO勝ちにもなるか、という期待が持てた。

 3ラウンドに入り、石井のローキックが定着してきたはじめた頃、ここで石井のハイキックがペットエークの顔面をかすり、試合はさらに石井が圧倒してきたかに見えたが、3ラウンド終了時点の賭け率はペットエーク優勢15-1という大差がついていた。普段と違った地域のリングということで、日本人の石井の事を誰も知らないから、ここまで大きな差がついてしまったのだろう。
 だが4ラウンドに入り、ここでさらに石井が左のハイキックをヒットさせると、場内ギャンブラーも納得しはじめたのか、ここでようやく賭け率が石井側に傾いた。最終ラウンド、試合内容でも賭け率でも勝っていた石井は、さらに顔面前蹴りなどを当て優勢ぶりをアピール。石井は判定勝ちを決めた。

 今回は草ムエタイのリングという事で、石井の主戦場であるラジャダムナンより、ひとまわり小さいリングということもあったのか、または観客との距離が近かったためか、両者は嫌でも距離がつまっていき常に打ち合わざるをえない感じだった。3分5ラウンドの間、常に打ち合い会場は大いに沸いたが、だが選手の体力消耗は激しかっただろう。そんな試合ペースにありながら、石井は最終ラウンドまで数々の蹴りをヒットさせることができた。

 試合後の石井一成のコメント。「約3年振りの草ムエタイでした。ここで負けたら後がないと思い全力でいきました。今回はいつもより早くタイ入りしてジム合宿していました。朝夕の練習でしっかり自分を追い込めたので自信もありました。次の試合ももう決まったので、一直線に突っ走る気持ちで挑みます。今後とも応援よろしくお願いします! !」石井は自信に満ちた笑顔で語ってくれた。

 自分自身の闘い方(戦法)を考えたところで、言葉ではなかなか答えが出てこないかもしれないが、たまにこうした地方での試合を間に挟むことで、新たな闘い方というものを自分自身に提案できたのではないだろうか。もう次のラジャダムナンで参戦も決っているようだが、今回の動きをヒントに、さらに新たなスタイルを築き上げてほしい。