母子手帳を開く。
2歳のページに、母の字で「ひらがながほとんど読める」と書いてある。
少し誇らしげな、その文字を見ていると、当時の母の気持ちが、今なら少しだけわかる気がする。
私は、こんな感じのひらがな積み木で遊んでいたらしい。
表の絵を見るのではなく、裏に書かれたひらがなだけでカルタをしていた、と母は言う。
そんなことは、もちろん覚えていない。
覚えているのは、そのずっと先のことばかりだ。
けれど、母子手帳のその一文を見ていると、「学ぶことが楽しい」という時間が、たしかに私にもあったのだと思う。
そして、そんな時間を作ろうとしてくれた母も、たしかにいたのだと思う。