普段座りがちな55~80歳の男女を対象に、ほぼ毎日、1日40分の有酸素運動 (ウォーキングやランニング)を6カ月続けて行った結果、海馬の大きさが約2%大きくなり記憶力が改善したそうです。
また、海馬を刺激するためには、軽い運動でも十分であることが、筑波大学大学院人間総合科学研究科・征矢教授の2014年の研究によって明らかになりました。
心拍数で1分間90~100ぐらいの運動でも効果があります。
2週間続ければ脳神経が増え、6週間で認知機能自体が向上することがわかったそうです。
多くの経営者やクリエイターが「走るとアイデアが浮かぶ」ということを紹介していますが、適度に走っている時は脳が刺激されるので、その効果もあり新しいアイデアが浮かぶのでしょう。
海馬にも数億個の神経細胞があり、その神経細胞からはシナプスと呼ばれる回路状の組織が無数に存在していて、それぞれがネットワークを作っています。
海馬で記憶が作られるメカニズムは割と簡単です。
そして、その神経細胞の回路にリアルタイムに細胞の電気信号が流れて記憶するのが短期記憶で、ちょうどコンピュータのランダムアクセスメモリ(RAM)に相当します。
リアルタイムで電気が流れている間は情報を忘れないのですが、流れる電気が消えると二度と思い出せなくなります。また、時間が経ったり用が済んで他の情報が上書きされたりすると、すぐに忘れてしまうのが短期記憶です。
たとえば、相手に聞かれた質問を覚えておくことで質問に答えられることや、読書でも登場人物や前の頁の場面を覚えていることで文脈を理解したりするときに使います。
これが長期記憶で、いったん長期記憶ができるとほとんど忘れることはありません。この長期記憶はコンピュータのハードディスクに相当します。
海馬を一つの都市と仮定すると、シナプスは海馬を形成する神経細胞同士を結ぶ道路や交差点に対応します。