私の職業は――日本人初のKimber社ガンスミス
「ガンスミス」という職業は、日本ではほとんど馴染みがないかもしれない。実際、私がこの仕事をしていると言うと、多くの人が驚いた顔をする。ましてや、アメリカの銃火器メーカーで日本人としてこの職に就くことがどれほど珍しいかを考えれば、それも当然かもしれない。
私は現在、アメリカのKimber社でガンスミスとして働いている。Kimberは高品質な銃を製造することで知られており、特に1911モデルのハンドガンは世界中の銃愛好家の間で評価が高い。そんな会社で、日本人初のガンスミスとして携わることは、誇らしくもあり、挑戦の日々でもある。
技術と精度の世界
ガンスミスの仕事は、単なる修理屋ではない。銃は精密機械であり、その調整やカスタマイズには高度な技術が求められる。スライドの動きを滑らかにするために研磨を施したり、トリガーの感触を微細に調整したりする作業は、まるで職人が楽器をチューニングするかのようだ。銃を撃つ人の手にフィットし、最高のパフォーマンスを発揮できるよう調整することこそ、ガンスミスの腕の見せどころである。
日本では銃を扱う仕事は限られており、ガンスミスという職業自体がほぼ存在しない。だからこそ、この道を歩むことを決めたとき、多くの困難に直面した。しかし、アメリカで研鑽を積み、Kimber社で働くに至った今、私はこの仕事の魅力を肌で感じている。
日本人としての視点
アメリカにおける銃文化と、日本の銃規制の厳しさは対照的だ。そのため、私の視点は他のガンスミスとは異なる部分もある。安全性を最優先に考えながらも、精度の向上や技術の探求に余念がない。日本で培った細やかな感性が、この仕事の精度に貢献していると感じることも多い。
時には「なぜこの仕事を選んだのか?」と聞かれることもある。その答えはシンプルだ――機械としての銃の美しさ、構造の奥深さ、そしてそれを極限まで調整することへの魅力。文化的な違いを超えて、技術職としてこの仕事に向き合うことができるのは、ガンスミスという職業ならではの醍醐味である。
これからの挑戦
私の職業は決して一般的ではないかもしれない。しかし、この道を進んできたからこそ、見える景色がある。日本人としてアメリカの銃器メーカーで働くことは、挑戦の連続だ。技術の探求、文化の壁、そして職人としての誇り――これらを胸に、私は今日もガンスミスとしての仕事に向き合っている。
もしかすると、この職業に興味を持つ人が現れるかもしれない。もしそうならば、ぜひ挑戦してほしい。未知の道を進むことほど、人生において刺激的なものはないのだから
