今週の日経平均株価は、ニューヨーク・ダウの4万ドル台乗せを歓迎して39400円台まで駆け上がったが力尽き、39000円台も守れず38646円で週を終えた。

日経平均株価は、米国のコピー相場に慣らされ続けて来ているが、改めて独自の相場観を有していないことに嘆かざるを得ない。

来週も38500円~39300円の値動きとならざるを得ないであろう。

 

慎重姿勢は、歓迎するべき

我が国では、10年物国債金利が1.0%台乗せとなり、今後の日銀による金融政策に注目が集まって来ている。

植田日銀総裁の発言が、為替相場を含めて市場に影響を与えているが、市場が期待するほどにはスピード感に欠けた結果となるものと思われる。

黒田前日銀総裁がハプニングを求める性格であったのに対し、植田日銀総裁は石橋を叩いても渡らないほどに慎重な性格であり、実体経済を確かめながら政策を打ち出してくるものと考えられる。

従って、金利面での変化は極狭いものとなると心得るべきであろう。

 

封じ手となった為替介入

イエレン米財務長官が、数次に亘って為替介入の是非について発言し、市場の関心を集めている。

我が国が二度に亘って合計8兆円余りの円買い介入を行ったということは市場で広く認識されていることとなっているが、イエレン財務長官は米国がこのことを容認していないと伝えたいのであろう。

一般的には、自国通貨の介入に際しては相手国の了解を得てから行うのが通例であるが、この了解を取り付けずに介入に踏み切ったのではないかと疑わせるのである。

こうなると、今後為替介入は封じ手となったと認識するべきなのであろう。