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DUNKIRK

製作 : 1958年
監督 : レスリー・ノーマン
出演 : ジョン・ミルズ、ロバート・アークハート、レイ・ジャクソン、メレディス・エドワーズ、リチャード・アッテンボロー

 1940年、ドイツ軍がベルギーに侵攻し、西部方面への電撃戦が開始される。イギリス軍のビンス伍長らの小隊は、橋を爆破する命令を受けるが、任務を果たして戻ると既に中隊は撤退した後であり、やむなく徒歩で移動を開始する。仲間を失いながらも、脱出地点であるダンケルクに辿り着いた小隊であったが、海岸ではドイツ軍による砲爆撃により、多数の死傷者があふれていた。その頃イギリス本土では、将兵を撤退させるため、駆逐艦から民間船まで使える船を全て動員して、一路ダンケルクへと向かわせていた。 

 本作は第二次大戦初頭のダンケルクからの撤退を描いた珍しい作品で、日本公開は1958年8月です。本国イギリスではDVDが発売されておりますが、残念ながら日本では、ビデオ・DVDを含めて発売はされておらず、私もテレビ放送のものしか観ておりません。
 同じダンケルクを描いた映画として「ダンケルク」というフランス映画もありますが、こちらはフランス兵の周りで起きた出来事を描いているだけで撤退作戦自体を描いたものではありません。その点、この「激戦ダンケルク」は、前線のイギリス兵から、本国の司令部、果ては撤退作戦に参加した民間人までも幅広く描いている作品です。
 ではスケールの大きい大作かというと、それは残念ながら否定せざるをえません。どうにも低予算の映画だったらしく、撮影に使われた車両・兵器類は乏しく、ドイツ軍機の襲来シーンを始めとして、実写フィルムがふんだんに流用されております。映画の前半は、ビンス伍長ら小隊が徒歩で撤退するエピソードで、途中、ドイツ軍と遭遇しての銃撃戦などもありますが、基本的にTV映画「コンバット」と大差ないレベルです。後半はダンケルクに到着してから海岸で砲爆撃を受けたり、一旦、乗船して海岸を離れるも、船がやられて再び海岸へ戻ったりと、そこそこ見せ場もありますが、やはり戦争映画としては物足りないと感じます。これは、セミ・ドキュメンタリータッチの作風を狙ったものなのか、それとも単なる演出不足なのか…。


【声の出演】
 ビンス伍長 寺島幹夫
 ホーマー 富田耕生
 加藤精三、村松康雄、矢田耕司、富山敬、嶋俊介