高度成長期の日本では、サラリーマンは年功序列・終身雇用が当たり前、学生達は〝寄らば大樹〟とばかり大手・有名企業への就職を目指していました。
もちろん、かく言う私もその1人でしたが・・・。
しかしバブルが弾けて以降そのような従来の考え方は通用しなくなり、21世紀に入ったあたりから企業は能力重視査定や希望退職制度を次々と導入。
一方のサラリーマンも定年までひとつの会社に居続けようとする意識が急激に弱まり、転職が当たり前の時代となりました。
ところが能力査定制度を取り入れた企業の殆どがうまく行かず、再び旧来の制度に戻したりするなどの試行錯誤が続いているようです。
やはり従業員全てのモチベーション・ロイヤリティーを保つのは至難の業のようですね。
さて私が以前勤務していた損保会社では、社員の〝勤務評定〟は毎年12月に行われていました。
すなわち4~12月までの勤務状況を上司が評定し、それを元に翌年4月以降の給与ベース及び昇格・人事異動に反映させる・・・というシステム。
「ナベ、とにかく4月から12月まで一生懸命仕事しろょ。
1~3月は流せばいいんだから。」
なんて、親切(?)なアドバイスをしてくれた先輩もいらっしゃいましたっけ。
まぁ、それはそれとして・・・私が下っ端の頃、上司(課長・支社長)に対して期待することは2つしかありませんでした。 それは、
〝カネ〟と〝人事〟
カネとは、
「接待とか取引先の協力費について、如何にヒラ社員の面倒を見てくれるのか?」
ということであり、人事とは即ち
「自分の働きをどう評価してくれているかを明確にしてもらいたい」
・・・という意味。
しかし残念ながら、この私の希望を叶えてくれた上司は、自分が仕えた課・支社長延べ10人の内たった2人だけでした。
殆どの上司は、課・支社内の金の動きを明確にすることはなく、私は領収書をいつもビクビクしながら上司に持っていき、時には精算を却下されることもありました。
また勤務評定についても全く情報を開示してくれず、自分が上司や会社にどう評価されているかは殆ど分からず仕舞い。
これで 「やる気出せ!」 って言われてもねェ・・・。
そんな経験から、私は、
(いつか自分が課・支社長になったら絶対に実行したい!)
という〝秘策〟を胸中に暖め続けていたのです。
そして遂に、入社14年目にして支社長への昇格人事が発令され、私は意気揚々と転勤先へと赴いたのでした・・・。
・・・To be continued!