行く旅便り 第7便
旅を初めて6週間が経ちました。
本当にアッという間です。
このまま1年2年と旅を続けてもきっとアッという間なのだと思います。
まあ、もちろんそんな訳にはいきませんが・・・。
カンボジアに入国しました。
ホーチミンでの最後の夜は宿で出会った日本人のWさんが「ホーチミン最後の夜でしょ!?飲みにいこうよ」と誘ってもらいまして。
ま、最後の夜じゃなくてもきっと飲みには行っていたとは思うのですがw
一杯約50円のビールを飲みながらあーだこーだ話をする。
なんともいい時間です。
が、僕は翌日からのカンボジア入国が憂鬱でした。
まず最初に入るのは「プノンペン」。
前情報としてとにかく「治安が悪い」という評判。
財布を盗まれたばかりの僕にとってはとにもかくにもビクビクな町でした。
僕は調子に乗ってたんです。
タイにいれば「タイ人か?」、ラオスにいけば「ラオス人みたいな顔してるな」、ベトナムでも同じ。現地の人に現地の言葉で道を聞かれたり、時間を教えてくれって言われたり・・・。
現地の人に現地の人と間違えられる。
僕にとってそれは凄くうれしい事だったんです。
『出来る限り現地の人と同じ生活をしたい』
これが僕の旅を始める前からの想いでしたから。
出来る限り現地の人しかいない屋台や大衆食堂でご飯をたべたり、地元の人の真似して行動してみたり・・・。
だけど、財布をスラれた時に「いや、お前ただの観光客だから」って現実を突きつけられた気がして・・・。
言葉だった出来ないし、ゲストハウスなりホテルなりに泊まってるし。どだい無理な話ってのはわかってるんですが、僕はそれが一番ショックだった。
「ああ、俺、観光客なんだ。」
って思った瞬間に様々な事が怖くなってきました。
話しかけてくる人みんな僕を騙そうとしてるんじゃないか?
こっちを見ている人みんな財布なりバックなりを盗もうとしてるんじゃないか?
そんな思いで旅が楽しい訳がありません。
旅を楽しんでいない自分に苛立ち、ついついバイクタクシーや客引きの人に強くあたってしまいます。
そしてそんな自分に余計に苛立ってしまう・・・。そんな繰り返しでした。
そんな繰り返しのピークは、プノンペンの王宮付近にいた赤子を抱えた物乞いのおばちゃんと怒鳴りあうという・・・。
自分が情けなくなりました。
しかしその思いが少しフワっと楽になったのも「ああ、俺、観光客なんだ。」って感じた時でした。
プノンペンを歩いていて地元の人で賑わってる屋台があって。いつもだったら入ってるであろう屋台も素通りしそうになって。ああこんなんじゃダメだ。って思って、その屋台に入って。どれが美味しいのかわかんないから目の前に座って食べてるおばちゃんのどんぶり指さして、これ1つ。って注文して。気づいたら物凄いジロジロ見られてて・・・。「観光客なんだなぁ。ガイジンなんだなぁ」って。
心を閉じるのはツマラナイ。
心を開きすぎるのはアブナイ。
適度に心を開いて、適度に気を付けよう。
そう思った瞬間でした。
そこからは少し楽になりました。
プノンペンからバッタンバンという町へ行き、そこからサンケイ川、トンレサップ湖をボートで進みシェムリアップへ。
バスで行けば3~4時間で着く所を8時間かけてボートで行く。
バスよりも料金は高いですがこんな風情があって贅沢な事はありません。
(スローボートからの風景。一本だけ生えていた高い木が印象的だった)
使えるお金も限られているので高い料金払ってボートで行こうかどうが迷ったのですが、行ってよかったです。その分、食費を節約しました。一日3食~4食(笑)食べていたのを一日1食~2食に節約。
おかげで少し痩せた様に思います。
なので関係者の皆様、飯おごってくださいwww
(バッタンバンで食べたカンボジア料理「アモック」)
シャムリアップへ行き、3日間かけてアンコールワット遺跡群を見学。
(バイヨン)
(タ・プローム)
(ベンメリア遺跡)
やはり素晴らしかった。
素晴らしかったけれど・・・ゴミをゴミ箱にも捨てれない観光客に憤りを感じました。
遺跡の中にペットボトルが落ちてたり、タバコの吸い殻が落ちてたり。
カンボジアとしても、アンコールワットに関してはその辺りの意識も強いのか、ゴミ箱がそこらじゅうに設置してある。
にも関わらず、その辺に捨てる。そんな人間に観光などしてほしくないなぁ。
あとスローボートに乗っている時に川にタバコをポイ捨てする欧米人(だけではないと思うが。僕が見たのは欧米人)にも怒りを感じたものでした。
地元の人たちがその辺に捨てるのと、外人が捨てるのとでは意味あいが全く違う様に思います。
そして日本への帰国日。
自分の心か考えると丁度いい時期かもしれない。
と、思いました。
このまま旅を続ければ自分の心の中のバランスがわかってきてまた心地よく旅が続けられるとは思うが、一旦休ませるのもいいかもしれない・・・。
そんな風に思ったのに帰国した途端に「あー!旅行きたい!!」って思ってしまう。
今回の旅で気づいた一番の発見は「いかに己が面倒な人間か」という事。
常にそれと向き合う旅でした。
僕の中では旅は終わってません。
中断です。
ですから帰国する時も感慨深いものは一切なく「次の地へ向かう」感じで帰国しました。
再開はいつになるかわかりませんが再開した折にはまたお便りします。
面倒な人間ですが、またお付き合いください。
では。
2015.8.10 我善導