「デイゴの赤い花」 山田朝子
こんもりと木が茂る 南風原(はえばる)町・黄金(こがね)森に
人が堀ったという 陸軍病院壕がある
火炎放射器で 焼け焦げた壁に
貼りついた 黒い記憶
〈 それは決して歳月に蝕まれないもの 〉
今日も残り時間を数えるように
年老いた人は語り継いでいる
糸満市・摩文仁(まぶに)
二十万人余の戦没者の名を刻んだ
〈 平和の礎(いしじ) 〉
中央の園路に立つと 円錐のモニュメントが見える
その先端から 太陽が昇ってくる
〈 ここに来ると聞こえてくる声は幻聴なのか 〉
背を丸めて 礎の文字をなぞる人
六月二十三日 沖縄の重い一日
美(ちゅ)ら海(うみ)水族館のカフェ
オーシャンブルーに入ると
〈 ようこそ・メンソーレ 〉
ここでは平穏な時間が運ばれてくる
デイゴの赤い花を揺らし
鳥が炎のように空に向かっていった
頼りなげな足音が続く浜
子ども達が並べた 白い貝殻のパズル
忘れられた麦わら帽子
エイサーの太鼓の音が遠ざかっていく
まっすぐ引かれるように 東シナ海に夕日が沈む
沖縄の 終わらない夏
まもなく夏休みも終点に近づいてきましたね。
宿題であっぷあっぷの子どもたち、 夏の終盤に青空が広がる毎日で ウラメシ~ぃ かな。
夏期講習に予備校に、 次のステージを目指す学生さん、
クールビズでも 毎朝カラダの重い通勤者のみなさま、
ホッとするやら 焦るやら、 各年代層それぞれの 夏の終点ですね。
たくさんのステージを立ったり降りたり、 選択したり、 自由な時代です。
死にたいと言うも 自由。
花の沈黙は 遠く
花へ還ることのできない・・・ 「大空襲 夜の光におもう」 青柳 俊哉 より 一節引用。

