湿気をたぶんに含んだ強い風が、 家の中をすべるように吹きながれています。
すだれも ブラインドも ワサワサと大きく揺れ、
子どもが縁日でつくってきた手づくり風鈴が チリンチリン 激しく、 クルクル 乱舞しています。
それは まるで、 夏がおわりまっせ~、 宿題 はよ やれ~! はよ やれよぉ~! と、
はるか上空から吹きおろされる 夏の神さんの さようならの声を、
風鈴が音にして、子どものお尻を ホレホレと突付いてくれているかのようです。
子ども机のある窓辺に吊るされた 白い陶器の風鈴。
白陶器の鈴の声、 諸行無常の響きあり。
夏ガキ必衰の理をあらはす。
おごれるガキもひさしからず、
夏の夜の夢のごとし。
宿題溜めるガキ遂にはほろびぬ、
偏に風の前の塵に同じ。
続けて芭蕉さん 一句。
アホガキどもが夢の跡。
家の中を吹きながれる 夏の終わりの 強風は、
読書感想文に苦戦している必衰の夏ガキの手で押さえられた
真っ白な原稿用紙を パラパラと めくり、
油断して寝転ぶ小学生の机から、パラ~リ ふっとばし、
4Bの濃い鉛筆を、コロコロ 机の下に落とします。
間に合いますかね~ 夏の終点に。