昨日の青空が一転、今日は翳りの雲行きであります。
風も強くて、寒々しい。
茨城県で起きた連続殺傷事件。犯人の異常性が今朝の新聞にもデカデカと載っていました。
いつ何時、こんな異常な人間と出くわすやも知れず、もう外出は運試しのような気さえしてきます。
私も数年前から、あるひとりの女性に、何故か付きまとわれています。
二人の子どもが、まだ8才と0才と小さかったある日の事、近所のスーパーで出会ってしまったんです。
いえ出会ったと言うより、目を付けられた・・・と言った方が正しいですね。
おかしい・・・、様子がおかしい。わたし達の後をずっと店内から付け回ってきています。
もう、気味が悪い。
私は幼い子ども二人に危害が加えられたら大変だと思い、店内を出て家の方向に向かうのをやめて向き直り、相手を迎え撃つ姿勢でぐっと睨み付けました。
しばらくそういう状態が続き、その女性は後ずさりして逃げていきました。
家だけは知られたくない!その一心でベビーカーと荷物と子どもの手を引き、走って帰りました。
また、数日後、同じスーパーに行きました。
また、その女性がいました。
向こうが待っていました。
ある日ハタと気付きました。 この女性は同じ時間帯にしか現れないのを。
それから時間を変え、しばらく会わない日々が続きホッとしていたら、向こうが時間を変えやって来ました。
偶然その場に居合わせた私の友人に、私の被害妄想かどうか、わたし達両者の動きを離れたところから様子を見て確認してみてと頼んでみました。
その友人は、ひょえ~~~~~!と恐怖におののいた声で、被害妄想ちゃうちゃう!
絶対狙われてる! コワ~~~っ! と言いました。
そんな状態が数年続きました。
と、言うのも何か危害が加えられている訳でもないし、こちらの一方的な不快感で警察に届けるのも・・・と、二の足をふんでいたので、自分達で必死に向こうの動きを知り、時間を変え、日を変えて過ごしていました。
下の子が2才頃、スーパーの店内でご機嫌斜めになり、レジ付近で寝転がってわめきはじめました。
その傍らに例の女性が立って薄笑みを浮かべています。
私は、もうダメだ・・・、このまま泣きわめく幼子の手を引いて帰ったら、ずっと後をつけられる。
思い切ってレジのおばさんに、
「あそこに立っている女性にいつもずっとつけられるんです。どこの方か知らないですか?」 と、訊ねてみました。
そのレジのおばさんは、「さぁ~?」 と、知らぬふりをしましたが、
隣に並ぶレジのおばさんが、
「ずっとおかしいと思って様子をみていましたよ。 店の裏から出て帰りなさい。」と言って下さいました。
「たぶん、へんな事をする人ではないと思うんだけどねぇ、わからないからね。」と、男の店員さんを呼んでくれて店の裏へ回り、その男の店員さんが家までわたし達親子を送って下さいました。
道中、恐くて何度も後ろを振り返る私に、その店員さんは、「大丈夫ですよ、あの人は僕のことをすごく恐がっているみたいで、近づいてきませんから」とおっしゃた。
「店でもマークしている人物です」と言うことだった。
しかし、同時に、店内にいると言う状況は、お客さんでもある訳で、来るなとも言えない。
万引きするわけでもないし・・・。
あくまで、観察している状況にとどめておくしかなくて・・・とお話しして下さった。
ある日の、上の子の小学校での個人懇談会。
何か心配事はないですか?と尋ねられて、子どもの学校内の事では一切心配はないのですが、と、その女性の事を話してみた。
担任の先生は、それはほっておけないと、校長とも相談しますからと言って下さり、後日、警察に届けておきましょう!と何かあってからでは遅い、何かある前に、迅速に動いてもらう為にも、警察に届け出を、という事で、私は近くの交番に相談しにいった。
すると、たくさんの写真の束を見せられ、「こいつか? それともこいつか?」と。
違う・・違う・・・。 う~む、コイツも違うか?
「あっ、そういえばコイツはこの間学校からも連絡来て捕まえた奴やな」 などと言いながら繰ってゆく。
こんなにも、不審者情報のマーク写真があるものなんですね。びっくりしました。
しかし、残念ながらその束に、女性の写真はありませんでした。
警察官の方も、女性とは珍しいなぁ・・・と腕を組んで考え込んでおられました。
「では、今度、何かあったら、そのオンナを交番までおびき寄せておいで」と言われましたが、
そんなん、もう顔を見るのもイヤ・・・おびき寄せるなんて、そんな時間さえも持ちたくないのに・・・。
後日小学校の担任の先生に警察は何と言っていましたか?と聴かれ、「何かあったら、おびき寄せておいでと・・・。」
すると、先生 憤慨して、「何かあったらって!何かあったら遅いじゃないか!ほんっとに警察は~!」
確かに、おびき寄せておいでなんて・・・、その間に何か起こってしまったら、どうしようもありません。
交番の一警察官の方も、雑談気分で、何気に言ったんでしょうが、もし、事件が起きて、先に情報を得ていたとの事になれば、また後手後手の昨今の新聞を賑わす警察のあり方を問われる結果になってしまいます。
交番に届けを出したところで何も変わりません。
近所の年配のおばさんにその女性の事を話したら、そのおばさんは意外にも知ってるよ!その女の子!と、あるエピソードをおしえてくれました。
もうだいぶ昔、その女性がおそらく高校生くらいの時。
そのおばさんは偶然電車に乗り合わせたそうです。
あっ、あの子、地域で見かける女の子やなと思って見ていたら、突然その子が、見ず知らずの電車内のお客さんめがけて、持っていた傘で頭を叩き始めたそうです。
あの子、おかしい・・・、と呆然と見てしまったと話してくれました。
やっぱり、おかしな人物だったんだぁ~~~!
もう絶対会うまい!
徹底的に動きをはずしていく! それしかありません。
幸い、自宅も知られていない。
そのスーパーに私はもう一切行かないことにしました。
それから、また数年、ずっと向こうに私の姿を見つけられる事はなくなりましたが、私の方でバスの中から、自家車の中から、その女性を見かけることがあります。
いつもキョロキョロ、誰かを探しているような素振りです。
それからさらに数年、ある日曜の朝、買い物に出る事になりました。
私はもちろん近くのスーパーには行く気などありません。
車で駅前の大型スーパーにいくつもりでした。
なのに、亭主が、そんなんわざわざ駅前まで行かんでも、そこでええやん!と言いました。
えっ?・・・、そう言うなら仕方ない。もう何年も例の女性とは顔を合わせてないし、まして日曜の朝に例のあの女性は出てこないだろうと思ったので、久しぶりにその近くのスーパーの店内に入りました。
亭主が先を歩き、私は左右の陳列棚を見回しながら歩いておりました。
すると、亭主が突然、「あいつか!」 と叫んだのです。
あいつ?
亭主を越えて、その前方に視線を移すと、・・・・・なんと例の、あの女性が、ランランとした輝く瞳で うれしそうな微笑を浮かべ、じぃーっと私を見つめているではありませんか!!!
やっと、見つけた あ・な・た。と、言ったオーラ満開です。
きぇ~~~~、私は亭主に小声で、「帰る、私、先帰る」と言いました。
亭主も「わかった、わかった、」と深く頷いてくれました。
亭主はこの時、初めて この女性と遭遇したのです。
今までは、私からの事後報告ばかりだったので、いまひとつ、私の恐怖感もそんなに汲み取っていなかったのです。
ばかやろう!
もう、二度と亭主は私に気軽にアレ買ってきて、コレ買ってきてとは言いません。
自分で走ってくれます。
当然や!
あの異様な女性の私を見る目。 亭主も、あれはおかしい!めちゃ、恐い! と気付いてくれました。
でも、あの目は、オマエ・・・オマエの事が好きな目やで!
ひぇ~~~!
私は惚れられていたのか?
もう、絶対に会うまい!
それからさらに数年。 私は堂々と、意味ある引きこもり主婦の生活をまっとうしている。
ここ数年は、まったく向こうの目には触れられていない。
と、ある日、今度は違う女性が我が家の玄関のチャイムを鳴らした。
出てみると、泣いている女性がひとり。
誰?誰? 恐ろしいが、ここは母として、家の中にいる子ども達を守らねばならぬ!
私はまくしたてた。
意外にも名乗った名はご近所の娘さんだった。
その娘は、私のまくしたてた怒りに、おびえをなし、「もういいです!」と、裸足で泣きながら走り去っていった。
裸足?
いったい何が起きているのだ!
その娘、知らぬぞ!
しかし名はご近所の娘である。 ただならぬ様子をほって置くわけにもいくまい!
すぐさま、そのご近所の家に走った。
娘が泣いておるぞ!と。
逃げたぞ!と。
その母は、「げっ!行った?」 と言った。
その母と私は そんな言葉使いを交わすような関わりの関係ではない。一切ない!
なのに、その母までもがおかしな言動。
私は混乱である。
この話の顛末を書くと長くなるので、もう割愛する。
その家庭での 我ら家族は幸せそうな理想の家族像にうつっているらしかった。
ここへ来れば、優しくしてもらえると思ったらしい。
(我が子がそれを聴けば憤慨だろうな!みんな目が節穴や。)
よって引き起こされたワケわからん娘の登場で、こっちが混乱である。
その娘はこの年が明けてから、もう2回も泣いて我が家へ裸足で走ってくる。
前回初めて、その母が菓子折りをもって謝りに来られた。泣いておられた。
品のあるおしゃれな方である。
娘は数年前から精神が崩れたらしく、ナイフを持つことや、高速道路の橋の上から飛び降りるとわめく事もあったらしい。
もう、みんなガタガタである。
世の中、ガタガタである。
引きこもっていても、何かが向こうからやってくる、そんな私の日常である。
裸足の娘よ、スーパーの女性よ、
みんな どうした? どうしたい?
私に答えは出せないよ。