ピアノの発表会まで2か月を切りました。

レッスンは月1回でお願いしていますので、発表会まであと2回のレッスンになります。

 

右足甲も癒骨したので、歩行はまだまだですが、右足でペダルが踏めるようになりました。

骨折期間中は左足でペダルを踏み、右足へ重心もかけられなかったので、やっと通常の自然な姿勢でピアノを弾ける事がとても嬉しいです。

 

幼少期ピアノを習っていた時は、幼いながらもロマンチックだったりメランコリックだったり感傷的だったりとメロディーが大変美しいショパンの曲が好きでしたが、今の気分は断然ベートーヴェン!!


去年の発表会ではピアノソナタ8番悲愴の第2,3楽章を弾きました(勿論全然下手です!)。今年は17番テンペストの第3楽章。


そして悲愴の第1楽章は上達したら絶対挑戦してみたい曲ですし、その他のピアノソナタもできる限り弾いてみたい!

 

ど素人の私でも、多くのピアノソナタや交響曲から、彼の偉大さは分かりますが、

何がどのようにすごいのか、をもっと知る必要があると思い、関連本3冊本を読んでみました。

 

 

 

 

中世から現代のヨーロッパ史の中で、音楽家や彼らの生み出す作品がいかにその時々の情勢に左右され、どのような変化の過程を経て現代の様式に至ったかについて理解が深まりました。


権力や勢力が、教会から王侯貴族へそして中産階級や一般市民に移行する過程で起こった音楽の目的や役割の変化、十字軍遠征を通してのアラビア世界、新大陸発見後の地中海から大西洋、太平洋へのヨーロッパの貿易主要地帯の変化によりもたらされた異文化、ヨーロッパを脅かしたオスマン帝国の文化や音楽などとの出会いなどが西洋音楽に与えた影響についも面白く、中世から現代までの激動のヨーロッパ史と音楽がともに歩んできた歴史が興味深かったです。

 

チェコ人の誇りを感じさせる作品を生んだスメタナやドヴォルザークは、様々な人種や民族が存在するヨーロッパで醸成された民族自決の考えのもと、音楽で自らのアイデンティティを表現する事を追求した'国民楽派'に属するというのも、なるほど!でした。

 

また近代に向かう中、様々な試みが色々な作曲家によってなされ、例えば、ニーチェの思想から着想を得て作曲を行ったワーグナーやマーラー。シェーンベルクの無調音楽、ストラヴィンスキーの変拍子など、お恥ずかしながら作品を拝聴した事のない作曲家についての記述も多く、今後も色々な作曲家の音楽を聴いてみよう!という気持ちになりました。

 

多くの作曲家の名前が出てきましたが、題名になっているベートーヴェンについては、’音楽はベートーヴェンの前と後では間違いなく違うものになった’という記述が印象的でした。


ベートーヴェンが活躍した時代は、文化や社会を造る中心が王侯貴族から市民へ変化していく過渡期であり、彼の作品はそういった新しい層だけでなく、音楽に造詣の深い従来より音楽を嗜んでいた聴衆までも満足できる幅広いレベルのものであり、彼自身は最前線で奮闘し新しさと完成度を求め、日々勤勉に身を削り創作活動を行った革命的な音楽家であった事を理解できました。

 

音楽史についてあまりにも無知でしたので、世界史に出てくる有名な人物や出来事などと共に、楽しく音楽史を学ぶことが出来る書籍です。