第七話 神の国日本 ②
その頃、桜より先に下界に降りた一行は、
高い山の麓に降りていた。
美しい姿は、天界の龍雪山に似ている。
虹の橋を渡り、時空のトンネルをぬけて降りてきた
すでに皆、、自分の色の着物をまといそれぞれの生業で
少年少女に姿を変えていた。
坊主頭で小豆色の羽織袴姿で漢方薬の薬箱を持っている。
ここでの名は漢方医の藤次郎と書かれている。
まあくんは、桜が来ないことに気付く。
「ねえ、石ちゃん、、桜の波動が遠くない?、、」
髪を後ろにおろして束ね、紫色着物と羽織を着た姿の石ちゃんは、化粧箱を持っている。
ここでの名は化粧師の新之助と書かれている。
「確かに、、人間界には居いると思うけれど、、ここからは、遠いね。まさか、、。」
なんとなく、、また会えることはわかっている二人ではあるが、、
なんと言ってもあの桜である。
無謀なことをしていはいないか心配なのである。
「まあ何とか生きてるよ、、。すぐ会える気がするから大丈夫。」
いつもの、
藤次郎(まあくん)の得意の根拠のない大丈夫なのである。
天王の書かれた約束の手紙を懐から取り出すよう、
新之助(石ちゃん)は、指示を出した。
それはそうと、わすれ薬の効いた9名は、
互いに顔お見合わせ何だ、かんだと話し始めている。
「はいはい、、皆、驚かないできいてね。
私と隣りにいる藤次郎(まあくん)は、
天界から皆と一緒に降りてきたのね。
皆も、ちょっと前までは
空の上に居たんだけれど
ある使命があって選ばれた仲間なんだ。
その2つの封筒の封筒の中には
自分の名が、
ふたつ書かれている。
その名前だけはわするべからず。
そして、それぞれ、呪文を唱えると、、
自分のところにアイテムと呼ばれるものが一体現れる。
その者とは、仲良くするように。
使命は、だんだんわかってくるけど、
名前を選んだ天王はいたずら好きだから、
惑わされる。小さいことも気をつけて、、。
それと皆、、、桜という子を覚えているかい?」
頭を丸髷に結、育ちのよさそうなお嬢さんのなりをして、
手には、からくり箱を持っている子が手をあげた。
「あの、、私はミーシャ。ここでの名は
からくりのおみよ
もとの場所では
火の妖精を操る魔女だったとはっきりおぼえているわ。
桜のことは、なんとなくだけど覚えている。
小さいのにめちゃくちゃ強い女の子だよね、、。」
そうするとまた、後ろに腰をおろしていた少女が名乗り出た。
その子もまた
丸髷を結、あさぎいろの着物を纏、髪結箱を持っていた。
静かな声で
「うん。知ってる。覚えてる。私、その子に助けてもらったことが
あるような。何処でだったか忘れてしまったけれど
桜は大事な子だった気がするわ。
私は、水の妖精使いレイ
ここでの名前は、
髪結のお涼
そう名乗るように
と、この封筒に書いてあるわ、、。
ところで、火を操る魔女って凄いね、、。」
姉妹だったミーシャとレイは、ところどころ
天界のことを思い出していた。
つづく、、。
みこたも