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神の舌を持つ老人②

久しぶりの沖縄料理、この組み合わせ

が鉄板なのです。




小野さんいわく、まるでコンピュータ

の様な「神の舌」を持ち、店内も抜け

目なく観察して、お客様の食べる姿を

見ながら料理する、寿司屋のカウンタ

ーは、料理人にとって理想的な環境だ

と気付き、新しい店舗にカウンターを

採用したそうです。

そんな「神の舌」を持つロブションさ

んを認めながらも、92歳の小野さん

は「僕は彼には負けない。」とおっし

ゃっているのです。

凄くないですか?

92歳になっても、まだまだ成長しよ

うと頑張っているのです。

73歳でがんに倒れたロブションさん

も、死ぬ寸前まで料理イベントに参加

して、夢を追いかけていました。

お二人とも、すでに使い切れないほど

の資産を持っているので、働く必要な

ど無いにも関わらず、ずっと働いてい

るのです。

しかし、彼らは最初からお金の為に

働いている訳ではありません。

「料理でお客様を喜ばせたい」と思っ

ているから働いているのです。

上司に働かされているのではなく、

お金に働かされているのでもなく、

自分の意思で、自分の好きなことで、

誰かを幸せにしたいと思うから働いて

いるのです。

湧き上がる強い想いが彼らを突き動か

しているので、60歳になったら国が

お金をくれるから、働かなくて良いん

だとは思っていません。

これが労働の本質です。

労働とは、「ある年齢に達すると働か

なくて良い。」とか、「家族の為に

我慢する。」とか、「労働から解放さ

れると幸せだ。」という性質のもので

はありません。

好きだから働いて、好きなことで人の

役に立って、人に感謝されるから続け

られて、それが生きがいだから辞める

ことなんて出来ないのです。

逆に、人に言われるから働いたり、

お金のために働いていると、人に感謝

されないし、人に感謝されないから

仕事が好きになれないし、仕事が好き

になれないから、仕事が生きがいには

ならないのです。


ー神の舌を持つ老人 完ー



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