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広重の提供価値と提供方法②

高級中華で「焼きそばって」と思いま

したが、この焼きそば、めっちゃ美味

しかった。




それは一つの疑問から始まりました。

「何故、保永堂版「東海道五拾三次」

だけの一発屋で終わっていてもおかし

くない歌川広重が、21歳のデビュー

から、62歳で亡くなる41年間とい

う長きに渡って、人気浮世絵師として

君臨出来たのか?」こう考えた僕は、

今度は、展示順路を逆に辿りながら、

3度目の観覧を行なったのです。

すると、歌川広重の持つ差別化された

提供価値と、その提供価値を届ける

様々な提供方法が見えて来ました。

最初の「東海道シリーズ」、保永堂版

東海道(1834年)では、それまで

旅行が一般的でなかった庶民に対して

、参勤交代などの風習で旅行が日常化

している武家の立場から、「旅情」を

提供価値として、一枚の絵の中に

「風景」「人間」「文化」を入れ込み

、見る者に臨場感を与え、あたかも

自分が旅に出た様な錯覚を生み出させ

たのです。

こうして歌川広重は、自らの強みであ

る提供価値を「旅情」に置き、その

提供方法を「旅行ガイド」としま

した。

本来であれば、第二弾も同じ提供方法

である「旅行ガイド」にすると一発屋

で終わっていたのに、歌川広重は第二

弾を、提供価値をそのままに、提供方

法だけを「文化(社会風刺)」に切り

替えたのです。

これが、1840年に発表された

「狂歌入東海道」です。(狂歌とは

社会風刺)

更に、1847年から1852年にか

けては、提供価値を「人間」に絞って

、「美人東海道」「人物東海道」を

発表しています。

そして晩年では、その類い稀な筆技巧

を用いて、提供方法を風景に置き換え

、1855年に「竪絵東海道」(縦絵

の方が飾りやすい)を発表しました。

こうして、一つの提供価値に対して、

複数の異なる提供方法を持つことで、

歌川広重はその人気を不動の物にした

のです。

僕も、見習わなければなりません。


ー広重の提供価値と提供方法 完ー



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