ベトナムに骨を埋める②

僕が日本にいる時は、もっぱらSkype

のテレビ電話機能を使って連絡を取り

合っていました。

まるで仲の良い親子の様に、毎日の出

来事を面白おかしく語り合っていたの

です。



そんなOさんから相談を受けたのは、

去年の秋も深まった頃でした。

O「イノちゃん、70歳の俺が恋した

  らオカシイかな?爺さんやから世

  間体が悪いかな?」

僕「そんな事ないよ、離婚して20年

  以上もたってるし、年齢なんか関

  係ないよ、ましてや世間体なんて

  気にする必要ないで。」

O「そうかな、笑われへんかな?」

僕「笑いたいヤツは、笑わしといたら

  良いねん。ところで、相手はどん

  な人なん?(笑)」

O「50過ぎのおばちゃんやで、タイ

  人やねん。」

僕「へー!!綺麗な人なん?」

O「うん。今度、食事に誘おうと思っ

  てる。」

僕「そっか、応援してるわ。」

O「やっぱり恋すると、生きてて楽し

  いわ、また、新しい事業を手掛け

  る気になったし、イノちゃんにも

  手伝って欲しいねん。」

僕「うん。楽しみにしてるわ。」


しかし、翌日の早朝、心臓発作をおこ

したOさんは、帰らぬ人となってしま

ったのです。

遠くベトナムの地の、一人暮らしのホ

テルの一室で、独りぼっちで死んでし

まったのです。

Oさんの秘書から連絡を受けた僕は、

その現実を受け入れる事は出来ませ

んでした。

ベトナムにさえ行けば、またOさんの

笑顔が見れる様な気がして……

しかし、外務省から遺体の引き取り先

を探して、連絡が有ったのを境に、少

しずつですが、現実を受け止める事が

出来る様になったのです。

でも、本当に悲しかったのは、Oさん

の1人息子が、Oさんの遺体引き取り

を拒否したために、Oさんは、あんな

に帰りたがっていた日本に埋葬される

事なく、ベトナムの地に骨を埋められ

てしまったのです。


開いたSkypeの画面で、「Oさんにお

誕生日カードを贈ってください。」の

メッセージは点滅し続けていました。

それを見詰めていた僕は、ベトナムの

陽だまりでビールを片手に、お互いの

息子の思い出を語り合っていた、長閑

で平和な日を思い出していたのです。

良かったなOさん、あんたの息子は、

あんたの遺体さへいらないと言うほど

、1人で逞しく育ってくれたみたいや

で。

本当に嬉しいな…

父親を捨てた時から、息子は本当に強

くなるって一緒に話してたもんな…

でも、あんなに桜を見たがっていて、

僕が送った桜の写真を毎日飽きずに眺

めていたのに、もう見る事が出来きひ

んねんな。

それだけが、それだけが心残りやわ。

だから、来年のお墓参りには、桜の苗

木を持って行って、Oさんのお墓の隣

に植えてあげるからな…

それまでは、二人で見上げたあの、

真っ青なベトナムの空を1人で楽しん

でいてな…

-ベトナムに骨を埋める 完 -



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  、そういう復讐するのはどうかと

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