この他にも
国債には幾つかの役割がある
そのひとつが
民間金融機関 ※ の経営安定化だ
※ 以下、分かりやすく民間銀行
では
なぜ民間銀行の経営安定化が
必要か
それは
政府が財政を支出するときに
必ず民間銀行を使用するから
民間銀行は政府と社会のつなぎ役で
政府が安心して財政支出するには
民間銀行の経営の安定が必要
-----------------
民間銀行の経営について語るには
民間銀行の資産と負債についての
理解が必要
民間銀行の主な資産は
日銀当座預金 ※
民間銀行の主な負債は
民間銀行預金
民間銀行が国債を購入するには
日銀当座預金(資産)を使う
民間銀行預金(負債)は使わない
※ ちなみに
主な資産である日銀当座預金は
その名からも分かるように
当座預金=決済用預金なので
原則として金利が付かない
-----------------
さて
民間銀行の経営の安定を語るには
民間銀行の収入(収益)の柱を
理解する必要がある
民間銀行の収入(収益)の柱は
次の二つ
①貸付金利
②取引手数料
①貸付金利が増えるためには
社会の需要(商取引)が大きくなる
すなわち景気が良くなる必要がある
②取引手数料が増えるには
銀行間の取引が増えなければならず
社会の需要(商取引)が大きくなる
すなわち景気が良くなる必要がある
要するに
①貸付金利②取引手数料ともに
景気が良くなる必要がある
-----------------
景気が良ければ
民間銀行の経営は盤石となるが
景気が悪くなると…
そもそも
社会の需要が小さくなることを
「景気が悪くなる」という
社会の需要(商取引)が小さくなると
儲かりづらくなるので
わざわざお金を借りてまで
商売をしようとは思わなくなる
むしろ借金の返済に傾く
そのため
①貸付金利は低くなっていく
また
社会の需要(商取引)が小さくなると
銀行間の取引が減ってくるので
②取引手数料が減ってくる
-----------------
収入(収益)が減るということは
民間銀行の資産(日銀当座預金)が減る
要するに
景気が悪くなると
民間銀行の経営が不安定になるので
政府は安心して財政支出できなくなる
そこで政府は
民間銀行の資産を増やすため
金利の付かない日銀当座預金に代わる
金利の付くものを使うことにした
それが国債である
-----------------
民間銀行の資産
日銀当座預金=ゼロ金利から
国債=金利が付く