本当に子や孫にツケを残すのは政治家! | -

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朝日新聞が、公明党・北側副代表の街頭演説の内容を報じました。
いつも自民党の陰にかくれて目立たない政党ですが、“一応”与党ということもあり、取り上げてみるのですが、「なんせ地味!」



ま、政治は派手さより如何(いか)に国民生活を豊かにしてくれるか、が大事なので、そこはあまりツッコまないように気をつけます。

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さて、彼の演説を見てみると、「やはり」誤った貨幣観で話が構成されているのが分かりますね。

彼は、物価高対策として野党が消費税の減税を訴えていることに対して、次のように言っています。
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>物価高対策として、いろんな政党がいろんなこと言っている。共産党をはじめ野党は今、消費税率を10%から5%に引き下げると言っている。できたらそらいいですわ。税金安くなって文句言う人、おりません。

>しかしみなさん、この消費税は私たちの年金、医療、介護、子育て支援、その他、福祉もろもろ、社会保障政策の財源費用として使われている。

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いかがですか?

彼の演説の残念加減が分かりましたか?



まず彼は、先日の自民党・高市議員の発言と同様に、「消費税が社会保障政策の財源費用として使われている」と、消費税法を根拠に発言しています。

しかし、以前から言っているように、消費税法で謳われていても、現実には「消費税は一般会計で計上・処理」されています。

(一般会計)ということは、「一つの大きな財布に(消費税収が)入れられて、国の予算に適当に充てられている」わけです。

要するに、「たとえ法律で定められていても、一般会計の仕組み上、『消費税が社会保障政策の財源費用として使われている』とは(誰も)言い切れない」のが『事実』なのです。



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僕は、個人的には「消費税は廃止」の考えを持っていますが、百歩譲って消費税を運用するなら、『消費税が社会保障政策の財源費用として使われている』という性格から『特別会計』へ移行すべき…いや、移行『しなければならない』のです。

ところが、現実にはそうしていない。



想像ではなく、『事実』として言うなら、「特別会計では都合が悪く、一般会計では都合が良い」“なにか” がある…ということです。

もしも、『消費税が社会保障政策の財源費用として使われている』ことを理由に、消費税を認めている方は、その使われ方を担保する(他の用途に使われない)ためにも、ぜひ『特別会計への移行』を強く訴えてください!

一般会計だと、他の用途に使われていても、全く分からない仕組みですよ!

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それから、次の発言についても、指摘したい点があります。
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>消費税1%で年間2兆8千億円の税収がある。仮に5%も引き下げたら、年間14兆円の税収がなくなる。

>消費税の税率の引き下げを言うのは結構だが、だったらこの14兆円、大事な大事な社会保障の費用をどうやって賄っていくか、きちんと言わないとおかしい!

>選挙だからと言って、そんな無責任なことを言ってはいけない。

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人によって消費税収の額が増減しますが、ここは彼の数字を使うこととして、消費税1%で年2.8兆円、10%だと28兆円としましょう。
(実際には軽減税率がありますが…)

そもそも、彼は「税収=財源」だと勘違いしています。

その根拠は「財政法4条」でしょう。


しかし、この法律の仕組みは『金本位制』と同じもので、現在の『管理通貨制度』では正しく運用できないものです。



この国は、①財政を運用する元となる、お金の仕組みが管理通貨制度である一方、②財政を運用する法律(財政法4条)が金本位制を元にしている、という非常に歪(いびつ)な形となっています。

法が金本位制を元にしたものとなれば、いくら現実が管理通貨制度でも、また、金本位制が、その国の経済を衰退させる仕組みであっても、法治国家である日本では、それに従うしかありません。

これを改めるには、法改正が必要です。

そして、それが可能なのは、国内唯一の立法機関である国会…国会議員です。



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現在の日本のお金の仕組みである『管理通貨制度』を正しく理解すれば、「税収=財源」が誤りであり、「国債=財源」だと必ず分かります。

そうすれば、今、彼が言っている「大事な大事な社会保障の費用をどうやって賄っていくか、きちんと言わないとおかしい!」という発言もなくなるし

「選挙だからと言って、そんな無責任なことを言ってはいけない。」と言った彼の方こそ無責任なことを言っている…と分かるはずです。

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とはいえ、彼らだけでなく、まだ国民の多くは「税収=財源」だとか「国債=国の借金」など、沢山の誤解から解かれていないのも事実です。

特に、爺さん・婆さんといった年寄りほど、頑なに自らの誤りを正そうとしません。



そして、そういう世代が多数を占めているとなると先行きが暗くなりますし、そのことで「本当に子や孫の世代(これからの若い人たち)に“とんでもない”ツケを払わせることになる」のが、とても心苦しいです。

せめて若い人たちには、正しい貨幣観を持ってもらい、今の爺さん・婆さん年寄りが退場するまで我慢してもらい…

ただ、それまで日本がもつかな…