キセキ その2 | それでも私は右で打つ

キセキ その2

明日は七夕ですね。

大阪の地で迎える初の七夕。

ロマンチックな予定は何もございません。ちっ。




さて、昨日の続き。


藁谷くんの結婚式に出て、

ひたちなか市から特急スーパーひたち

(特急なのに鈍行並みの遅さを誇る)に乗って、上野へ。


上野→東京→新大阪へ着く頃には、すっかり夜に。



新大阪→大阪へ…

と思って改札を出て、大阪行きの電車に乗り込もうとしたところ、

ふと、お尻に違和感を覚える。

いつもと違う、この感じ。



誰かに触られているわけではない。

もちろん、異物を感じたわけでもない。

むしろ、何かが足りない。




どこに行ったの、財布さん。




噴き出す汗。

揺れる世界。



電車に乗るべく並んでいた男は、

乗り込む人々に一人逆行し、

ひとまず荷物の中を探り始める。



ホームに残る、ボクと車掌。

怪訝そうにボクを見つめて去っていく、電車と人々。


虚しく響く笛の音は、

あたかも何かの終焉を伝えるかのごとく響き渡る。




したたる汗に、

蘇る悪夢。



そう、この感覚は、2年前の夏、京大の庭。


人は、同じ境遇に立って初めて、

自分の胸に刻まれたトラウマを知るのですね!



なんて、動転している時にありがちな客観性を発揮するボク。



そんな場合じゃねぇ。

突っ込み入れて、猛ダッシュ。

新幹線へ、もう一度。



どこかへ行くでもなく、

最愛の人を見送るでもなく、

それでも切実な思いを胸に新幹線へと走るボク。



待ってくれ、のぞみ。。。




つづく。