道には色んな退屈が咲いている。
標識は誰からも無視され虚しく咲いているし、そこに凭れかかる様にして咲いている看板は誰の目にも触れずただただ主張するのを止めてしまっている。
そんな退屈な散歩道で咲いている花は名前すら無い。
その名も無い花も絶望的に咲くのを止めてしまっている。
もちろん自ら望んでのことである。
コンクリートの隙間から顔を出し、葉を数センチ伸ばして茎の頭には蕾みのままその部分だけ時間が止まってしまったかのように寂しげな影を落としている。
毎日そんな散歩道をコンクリートジャングルに向かうだけに通っていると心の何処にもこの道のことは残らない。あるいは残すことを止めてしまっているのかもしれない。
どちらにせよこの道のことをボクは何一つ知らなかった。ただ一つだけを除けば。
仕事の帰りが遅くなった満月の夜にこの道を考え事をしながら帰った。
何かに躓き振り返るとそこに小さな女の子が立っていた。
ボクは『危ないから早く帰りなさいよ』と言った。
彼女は『いいの。私はここに住んでいるから』と答えた。
しばらくの沈黙と心の葛藤の後、おかしなことに気付いた。
道端に咲きかけているはずの名も無い花がないのだ。
誰かが持ち去ったのか、あるいは処分してしまったのかわからないが確かにそこに存在していた花がなくなっていたのだ。
『そこにあった花、知らない?』ボクは聞いた。
『知ってるよ。だけど教えない』彼女は笑顔で答えた。
『もしかして君・・・』
『それ以上言わないで』彼女が少し慌てたように見えた。
『君が・・・あの花?』
そう聞くと彼女は見る見る成長していき、少女だった彼女が成人になってしまった。
『ど、どういうことだ』ボクは動揺した。
『あなたに正体がばれたからよ。もうここでは暮らしていけない。永遠の命もこれで終わり』
彼女は背を向けて去って行ってしまった。
その後も毎日のようにあの散歩道を通っている。
だけどもうそこには名も無い花の姿は無かった。
だけど名前を知らない花を見るとドキッとしてしまう。
彼女じゃないか、と。
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先に謝っちゃいますが、800字越えてます。
それにストーリーもめちゃくちゃ。
ま、ご愛嬌ご愛嬌。
う~ん、いいお題なのにねぇ。
こんなんで次回も参加するのか!?オレ。