シクラメンめざめのための白さかな
いい女すぎるは難儀シクラメン
凪とほく篝火草をつれてゆく
泣きやんで豚の饅頭ゆれはじめ
シクラメン無菌室にもある寝息 【笑い仮面】
好きな花ではあるけれど、句にするのは、これまでなんとなく避けてきていた。時間とともにこびりついてしまった歌謡曲のイメージに抗えなかったのだろう。ぼく自身はたぶん10代のころから小椋佳氏のファンで、甘やかでよく響く歌声もさることながら、「白い一日」(歌:井上陽水)や「ただお前がいい」の《わずらわしさに投げた小石の放物線の軌跡の上で通り過ぎてきた 青春のかけらが飛びはねて見えた 》(歌:中村雅俊)といったすこぶる覚めた審美眼と日本的叙情を融合させた歌詞には、圧倒され、嫉妬したこともあったから、なおさらだったかもしれないな。
でも、そんなことでしょぼくれちゃうようじゃいけねえ、と、みずからの尻を叩き(Mか?)、ここはぼくだけのシクラメン像をまとめてみようと、昨日思いたって詠んでみた。ううん、やっぱりまだ昭和歌謡みたいだな。もう少し、悩んでみることにしようか。
画像:ART meter




