皆様こんにちは。
ラッキーハートボーイJです。
人生最大の敵の1つは『ちやほやされること』。
そう認識して生きてきました。
ヤツこそは人の一生を狂わせかねない最大の敵の1人だと、激しく憎み敵視して生きてきました。
しかしヤツは意外に懐が深いのでしょうか、そんな僕を
無視
する戦略を取り続けました。
その結果、ちやほやされることとは全く縁のない人生を送りました。
ガッデム!
ただ、なぜ僕が『ちやほやされること』をこれほど憎悪、敵視するのか。
理由は明白です。
これまでヤツに無視され続けたという理由が100%であり、それ以外には付け加える余地は全くありません、この国に余っている土地などないのです。
ブログの流れで粗品的に付け加えるなら
『ちやほやされること』は『その時点のその人を全肯定すること』を意味する、少なくとも本人にはそう錯覚させるからです。
ありえないんですよ、人間を全肯定なんて。
≒完璧
を意味するようなものですから。
全肯定≒そのままで100点、努力しなくていい、する必要がない、と否応にも頭をよぎります。
当然された時間が長ければ長い程、努力には強いブレーキが掛かり意識も緩み、自分を客観的に見る目は曇ります。
すぐに表に出ないだけで、周りの努力している人間に対してどんどん順位が下がります。
そして気がつけば相当転落している、輝いていた過去にばかり執着するようになる。
***
先日山木君が三重県から遊びに来てくれました。
山木は僕が1浪時代に予備校で知り合った友人で、祖父、父が共に京大医学部出身という恐るべき家系です。
本人は1浪後、地元の私大文系(偏差値45位だったと思います)に収まるという、天空からの滑空力では両親東大の柴井(六大学)を凌ぎます。
ただ、学生時代の山木もまた柴井に劣らずダントツにカッコ良かった、雰囲気イケメンでなく純粋に美形だったというのがあります。
ジャニーズ滝沢君の全盛期に、似ている山木はタッキータッキー呼ばれていました。
王子様的な雰囲気を持っていました。とにかくモテていました。
が、社会人になるやいなや山木は太りだし、一度も痩せる事無く、デブキャラとしての地位を不動のものとしました。
柴井は未だに痩せてかっこいいままですから、恰幅力(かっぷくりょく)でもやはり柴井を凌ぎます。
そんな山木が東京に来ました。
勤めている車の販売店の売上上位者の慰安旅行で、夜から自由行動との事でした。
同じ予備校繋がりの水田と爺を加え、4人で飲みに行きました。
くだらない話で盛り上がり、そろそろ店を出るかという時、事件は起きました。
忘れもしない月曜の夜でした。
月曜ですよ?
いくら山木が来ているとはいえ、週初めです。それにもかかわらず
「ガールズバーに行こう」と言い出したヤツがいたのです。
僕です。
何で月曜にガールーズバーなの??
ただ金曜に行く方がガチ感がして、見ようによっては負けてるじゃないですか。
これは手術したのも関係あるかもしれません。
『別に日常生活の失敗とかどうせ大したことないから』というプログラムが僕にはOSレベルで組み込まれてしまっているのです。
『100歩譲って翌日遅刻したとして、それが何なの? 謝ればいい、バツが悪い思いすればいい、別に成績で返せばいい』と思っていました。
あとは入院中2回見舞いに来てくれた山木への御礼というのもありました。
勢いで提案したガールズバーでしたが、意外に3人ともノリノリになり、
「いや、キャバだろ」
と爺の真顔の訂正を経て、結局キャバクラに行く事になりました。
爺はさらに黒服と交渉し、『4000円で女子のドリンクも一杯無料』という条件を勝ち取っていました。
4人の隣に1人ずつ女の子がつきました。とにかく場を驚異的に盛り上げる、のが僕の目標なのでまあやるんですけど、結果キャバクラでも結構ウケました。
会話の中で水田はバンドマンっぽいーと言われ、僕は芸人に似てる人がいるーと言われ、
爺と山木は特に何も言われませんでした。
思えばこれが引き金だったのでしょうか。
「まあ見た目バンドマンっぽいけど、カラオケ音程外しまくるけどな」
と水田を音痴扱いしたと思えば次は
「コイツ後頭部絶壁だけどな」
と僕の後頭部が絶壁だと脈絡無しにフリました。
そう、僕の後頭部は極端な絶壁なのです。
おそらく皆さんが想像される3割増しだとお考えください。
え、これ大丈夫な(生きていける)の!?
と思って頂ける品質を保証します。(当然髪の毛ふんわりさせて頂いています)
ただそんなフリに戸惑う僕ではありません。
「そうなんだよー!」
といって、目の前のテーブルとピッタリ平行になるように顔を下に向け、隣の女の子が触りやすいよう差し出しました。
そこはキャバ嬢、空気を読みます。
「すごい!!絶壁~!!」
ちゃんと僕の後頭部に触って言ってくれました。
「だろ?」
となぜか山木が得意気でした。
「あ、何かワックスついた~」
と女の子が手をタオルで拭こうとしたので
「あ、それワックスじゃなくてフケだわ」
「今年は豊作でさ~」
と言ってやりました。
途中山木が、自分の隣の女の子と話して
「おい、J。この中じゃ俺が一番いいらしいぞ。まだまだ君には負けないという事だよ」
と突然上から来ました。
そんな山木をふと見ると
隣の女の子と手を繋いで、もう片方の手で手を繋いだ腕をスリスリさすっていました。
その触り方が教科書通りのキモさだったので、僕は本気でビックリし
「ちょ、ただのエロいオッサンじゃん!(笑)」
とツッコミました。水田も吹き出しました。
スリスリ「いや、これ気持ちいいんだよ」スリスリスリ
「だからその発言もオッサンじゃん!(笑)」
スリスリスリ「今度この子、三重遊び来る言うからさ」スリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリ
「いやいや来ないから(笑)」
衝撃のスリスリの後、1セットで店を出ました。何と山木はこれから六本木へ行くと言ってタクシーに乗って消えていきました。
「J、まだまだ君には負けないという事だよ」
別れ際、再度言い残して去っていきました。
今回の件は、その後僕と水田の間で何度か話題に上るという非常に学びの多い事件になりました。
山木には昔ちやほやされてきた、さらに期間が割と長かった『毒』の作用が出ていました。
その場の集団の中で自分が一番ちやほやされる存在じゃないと気が済まない体になっていました。山木の発言は場を盛り上げるというよりは、僕や水田を引っ張る性質のものでした。それがマスキングできず、滲み出てしまっていました。
僕たちは『今』で勝負しなくてはいけない。
過去の栄光にすがってはいけない。
す、すがる栄光がないからじゃないぞ!