人間の皮膚から万能細胞 京大教授ら、再生医療へ前進

 人の皮膚細胞などに複数の遺伝子を組み込み、各種の組織のもとになる万能細胞(人工多能性
幹細胞=iPS細胞)をつくることに、京都大・再生医科学研究所の山中伸弥教授らが成功した。
21日、米科学誌セル(電子版)に発表する。米ウィスコンシン大も同日、米科学誌サイエンス(電子版)
に同様の成果を発表する。人間の体細胞から万能細胞ができたことで、臓器や組織を補う再生医療
が現実味を帯びてきた。

 代表的な万能細胞の胚(はい)性幹(ES)細胞は、生命の萌芽(ほうが)である受精卵を壊してつくる
ので批判が根強い。山中教授と高橋和利助教らは昨年8月、マウスの皮膚の細胞に四つの遺伝子を
組み込み、世界で初めてiPS細胞を作製。受精卵を壊す必要がなく、倫理問題が少ないとして注目された。

 山中教授らは今回、成人の顔の皮膚の細胞や関節にある滑膜の細胞に、マウスの場合と同じ四つの
遺伝子を導入。人やサルのES細胞の培養用の増殖因子を使ったり、マウスより長く培養したりして、
人間のiPS細胞をつくるのに成功した。この細胞が、神経細胞や心筋細胞、軟骨などへ分化できること
も確認したという。

 山中教授は「再生医療の実現にはまだ少し時間がかかるが、ねらった細胞に効率よく分化させたり、
安全性を高めたりして、臨床応用につなげたい」と話している。

 一方、米ウィスコンシン大のチームは、山中教授らの4遺伝子のうち二つを別の遺伝子にして、新生児
の皮膚細胞からiPS細胞をつくった。

朝日新聞
http://www.asahi.com/science/update/1120/TKY200711200405.html
http://www.asahi.com/science/update/1120/images/TKY200711200407.jpg


iPS細胞については聞いたことがあります。
人でもできるようになったというのはうれしいですね。
実用化が待ち望まれますね。(^ー^)
アルツハイマー病の原因物質アミロイドを脳から取り除くワクチンの開発を進めていた国立長寿医療センター研究所
(田平武(たびら・たけし)所長、愛知県大府市)と名古屋大などのチームが、マウスを使った実験で発症後に飲むと
認知能力が戻ることを確かめた。脳炎や出血などの危険な副作用もなかった。
4月6日から大阪市で始まる日本医学会総会で発表する。
完成すれば、欧米で開発中のワクチンの難点である安全性やコストの問題を解決した新ワクチンになる。
研究チームは次の段階として、少人数の患者を対象にした臨床試験の準備を進めている。

 このワクチンは、病原性がないウイルスの殻にアミロイドというたんぱく質を作る遺伝子を入れてある。
口から飲むと、腸の細胞がこの「偽ウイルス」に反応してリンパ球がアミロイドを攻撃する抗体を作る。
この抗体が脳にたまったアミロイドにくっつき、ばらばらにして取り除く。
 研究チームは、月齢を重ねると必ずアルツハイマー病を発症するよう遺伝子を変化させたマウス28匹を使って
効果を試した。アルツハイマー病を発症した生後10カ月の時点で、半数の14匹にはワクチンを飲ませ、
残りには飲ませなかった。
 その結果、ワクチンを飲んだマウスはほぼすべて、3カ月後、記憶力や学習能力など認知力を試す4種類のテスト
すべてで成績が発症前のレベルまで戻った。
一方、ワクチンを飲まなかったマウスは全テストで成績が落ち、認知力の大半を失っていた。

 03年にワクチンを飲んだマウスの脳内のアミロイドが消えることを明らかにしていたが、今回初めて、実験で
症状が改善することまで確認した。
 アイルランドの製薬会社が開発した世界初のアルツハイマー病ワクチンは、臨床試験中の02年に患者の6%が
重い脳炎を起こしたため、開発中止になった。今回名古屋大などが開発したワクチンは
直接たんぱく質などを注射する方法ではないため安全性が高く、大量生産が可能なうえ、
薬液を飲むだけで簡単という利点がある。
 実験をした名古屋大の鍋島俊隆教授(医療薬学)は「アミロイドはたまり始めているが症状はまだ出ていない、
という段階で使えば予防効果も期待できる」と話す。

間違いなくノーベル賞です!(^。^)
ヒトの酵素でがん細胞が死滅

ヒトの体内にある特定の酵素が、正常な細胞には影響を与えずに、がん細胞を死滅させる機能を持つ
ことを九州大学の研究グループが解明し、新たながんの治療法につながる研究として注目されています。
http://www3.nhk.or.jp/news/2007/11/08/k20071108000114.html

九州大学大学院歯学研究院の山本健二教授らの研究グループは、主にヒトの免疫系細胞にある
「カテプシンE」と呼ばれる酵素に注目し、その抗がん作用を調べてきました。その結果、試験管の中で
ヒトの前立腺がんの細胞にカテプシンEを与えると、正常な細胞には影響を与えずにがん細胞だけを
死滅させることがわかりました。さらに、ヒトのがん細胞を移植したマウスにカテプシンEを注射した場合も
がん細胞が死滅したほか、遺伝子操作によってカテプシンEを増やしたマウスは通常のマウスに比べて
がんの転移が抑えられ、生存率も上昇したということです。

カテプシンEはこれまで免疫機能との関係が指摘されてきましたが、抗がん作用が明らかになったのは
初めてだということです。カテプシンEを薬として人工的に作った場合、アレルギー反応を引き起こさないか
どうかといった臨床的な検証が必要ですが、研究グループは、副作用のない新たながんの治療法に
つながる可能性があるとしています。
http://www3.nhk.or.jp/news/2007/11/08/d20071108000114.html

昨日、NHKで偶然このニュースをみてきになりましたので記載します。
一瞬カプサイシンと読み間違えました。(--;
癌が注射を打つだけで治る時代がやってきそうです。