イモリのしっぽはなぜ生える?謎の再生メカニズム、解明へ

【11月7日 AFP】(一部訂正)イモリなどの両生類の切断された足を再生する際に主要な役割を果たす
タンパク質の分子シグナルを発見したとする研究結果が、米科学誌「サイエンス(Science)」に発表された。

 イモリなどの両生類がど切断された足を再生させる生物学的プロセスは、生物学者らにとって長年の
関心事だったが、完全に解明されていなかった。

 ロンドン大学ユニバーシティー・カレッジ(University College London、UCL)の研究チームが再生プロセス
を研究した結果、神経細胞や皮膚細胞が作り出す「nAG」と呼ばれるタンパク質がこのプロセスに重要な
役割を果たすことが分かった。

 切断された部分の近くの神経細胞と上皮細胞が、nAGを分泌することで、新たな器官や足を生み出す
未分化細胞である芽細胞を刺激し、その形成が促進されるという。nAGは、神経が切断されていても
分泌される。

 今回の発見は、ヒトの体の失われた部分の細胞再生への鍵となる可能性もある。研究の主著者である
アヌープ・クマール(Anoop Kumar)氏は、「この発見がほ乳類やヒトの再生医療分野での進展につながる
のでは」と期待を寄せている。
(c)AFP
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/science-technology/2308300/2322583


Molecular Basis for the Nerve Dependence of Limb Regeneration in an Adult Vertebrate
Science 2 November 2007: Vol. 318. no. 5851, pp. 772 - 777
DOI: 10.1126/science.1147710
http://www.sciencemag.org/cgi/content/abstract/318/5851/772

まだ先のことですが身体障害を治せる時代が来ることになるかもしれません。
この研究には何百年も時間をかけなければならないと思いますが期待大です。
独立行政法人理化学研究所は、英国オックスフォード大学と共同で、「迷い」の経験を次の応答に
活かす脳の過程を発見しました。脳科学総合研究センター認知機能表現研究チームの田中啓治
チームリーダー、F.A.マンスーリ研究員、オックスフォード大学のM.J.ブックレイ講師らによる研究成果です。

 私たちは、もっともらしい応答が2通りあると、どちらの応答をするか迷います。迷った末に正しい
応答をした場合にも、迷った経験は次の応答に活かされます。次の応答に向けて、正しい応答を
素早く迷わずに選べるように「心」の準備をします。その結果、次の応答では、迷いが少なくなります。
このような「迷った」経験を次の応答に活かす過程が脳のどこでどのように行われているか、
これは認知神経科学の大きな問題でした。ヒトのfMRI実験の結果から、前帯状溝皮質と呼ばれる
大脳前頭連合野の内側にある領野が迷いを検出している、という説が米国の研究者を中心に
主張されていました。

今回、研究チームは、サルに「迷い」を持つような課題を訓練し、「迷い」の経験を次の応答に活かす
ためには、前帯状溝皮質ではなく、前頭連合野の背外側部が重要であることを新たに見いだしました。
さらに、サルが課題を遂行している間に、前頭連合野背外側部の神経細胞活動を記録し、「迷い」の
経験を次の応答に伝える働きをする神経細胞を発見しました。興味深いことに、迷ったことを伝える
神経細胞と、迷わなかったことを伝える神経細胞は、ほぼ同数ありました。脳では、迷った後に「心」の
準備状態を高めるだけでなく、迷わずに正答した後には「心」の緊張を緩めていることを示唆します。

 今回の発見は、通説を覆し、前頭連合野背外側部がこれまで考えられていた以上に広い範囲の
働きをすることを示す画期的な結果です。迷いの意味を捉えなおし、迷いを考慮に入れた教育方針や
判断ロボット設計を考えるにあたり、大きな手掛りを提供します。
(以下ソースにて)

理化学研究所プレスリリース
http://www.riken.go.jp/r-world/info/release/press/2007/071026/detail.html

Mnemonic Function of Lateral Prefrontal Cortex in Conflict-Induced Behavioral Adjustment
Science DOI: 10.1126/science.1146384
http://www.sciencemag.org/cgi/content/abstract/1146384

難しくてよく分かりません(--;
なんか完全自立制御のロボットが出来るみたいです。
「培養皮膚」の製造販売を承認 再生医療、初の商業化

 厚生労働省の医療機器・体外診断薬部会は23日、愛知県の企業が申請していた「培養皮膚」の
製造販売を承認した。重症やけど患者自身の組織から作った皮膚のシートで、患部に移植して
治療する。病気やけがで失った体の一部を再生させる目的でヒト細胞や組織を使った製品が
国内で承認されるのは初めて。再生医療が国内でも商業化の段階に入った。

 申請していたのは、ベンチャー企業「ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング」(J―TEC)。
9月末にも開かれる薬事・食品衛生審議会薬事分科会を経て、正式に承認される。

 培養するのは、皮膚の一番外側の「表皮」と呼ばれる部分。損傷していない皮膚組織を1平方
センチほど採取して表皮細胞を分離し、マウスの細胞を加えてウシの胎児血清で培養する。
約3週間で、8×10センチの表皮シートが十数枚できる。これを病院に出荷し、医師が患部に移植する。

 重症やけど患者は、全国で年間4000~5000人ほど。やけどが大きい場合は自分や家族の
皮膚などを移植することが多いが、自分の皮膚は足りなかったり、他人の皮膚だと拒絶反応が
起きたりする問題がある。

 培養皮膚はこれらをクリアでき、3日~1週間で自分の皮膚として生着するという。J―TECは
皮膚の培養のほか、出荷検査、輸送までを請け負う。販売価格は現時点で1000万円ほどの
見込みで、今後、公的医療保険適用の申請を行う。
(以下略)

朝日新聞
http://www.asahi.com/health/news/TKY200708230328.html

1000万はちょっと高いけど朗報ですね。
値段が安くなれば美容目的でしようされることもあるかもしれません。