井手町桜祭り | HOLGAに焦がれて

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思いつくまま書き綴った詩と、HOLGAレンズを使って、LOMO風に撮った写真を、展示しています。どうぞごゆっくりご鑑賞ください。  

今年も桜の花が咲いている。

一昨年に、京都の山城の井手町の玉川の、桜祭りの撮影に、行った時の事だが、写真を撮りながら歩いていると、上流の方から女の子が、泣きながら歩いて来るのに出くわした。

女の子は、母親にせかされて帰道を歩いていたが、「写真が撮りたいのに、ここまで来たら、撮れなくなっちゃう」と泣いていた。その時の玉川の桜並木は、上流の方が咲いており、下流の方は、桜が散っていた。川を下れば下るほど桜の花が無くなっていた。

女の子は、子供用のカメラを持っており、そのカメラには、マスコットが一杯飾られており、今日の撮影を心待ちにしていたと思われる。それが何らかの理由で、撮影出来なくなり泣いていたと思う。

私がすれ違った時、女の子は、自分が持っていたカメラを地面に投げつけた。それだけ悲しくて悔しかったと思う。

女の子は、家族ずれで来ており、なぜ急いで帰道を急いだのかわからないが、ひょっとして、爺さんや婆さんと一緒に来ていたので、母親が舅に気を使って帰道を急いだのかもしれないが、不明である。女の子が、悲しかった事だけ分かる。

ちゃんとした理由が判れば、なんだそう言うことだったんだと思えるが、多分、理由は、生涯、不明と思われるので、これから、ずっと心に残ると思う。

此処に来る度に度に、泣いていた女の子を思い出す。

 

今回の写真は井手の玉川の桜の写真。3月末に撮影したが、この後、新型コロナウイルスの問題が出て桜祭りは、中止になった。