寺塚穴観音古墳の奥室内には近世の装飾が・・・・
2013年のGW期間は、結局探訪はほとんど叶いませんでした。僅かに近隣の二か所を他事のついでに訪問できたのみでした。
一カ所目は福岡市南区の山の手高級住宅街にある寺塚穴観音古墳です。
興宗寺という広いとても立派な曹洞宗寺院の一角に残るとても立派な構造の巨石墳です。
所在地のお寺は本当に立派です。本堂右横の石畳が古墳への通路
急な階段を上り詰めると拝殿の奥に石室入口が
入れるのは前室までです。袖石の内側にも明王らしき仏像が・・・・構造は本当に見事
本堂の右横の急階段を上り詰めると拝殿越しに石室入り口が視界に入ります。残念ながら羨道を失っていますが、一枚岩の巨石によって構成された幅広い腹式の横穴式石室は見事な構造です。
奥壁と両袖石には後世に刻まれた立派な浮彫装飾・・・・もとい仏像群が目を引きます。玄門部に格子が入れられており、中を覗くだけで天井構造が見られないのは少し残念です。
古代遺跡を再利用例として熊本県玉名市の石貫穴観音横穴と非常に近い扱いが為されていますね。壁面の破壊は残念でもありますが、こうして奉られたおかげて近世採石の災難から逃れられたものであり、残っているだけでも奇跡的というべきでしょうね。
近くにあるのに初めての訪問でしたが、石室構造の見事さと古墳再利用の手法を学ぶ上で、ぜひ皆様にも訪れて頂きたい古墳であることを実感しました。