九州国博デジタルアーカイブシンポ・レポート -1- イントロダクション | 蕨手のブログ

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今津1今津2 10/20は各地での装飾古墳一般公開の日であったが、私は午前中で早々に切り上げて、自宅近くの九州国立博物館に向かいました。

 大事な公開を諦めてもどうしても聴講したいシンポジウムが開催されていたからです。それは、デジタルアーカイブ(デジタルデータ化、再現映像化されたコンテンツを使って新しい文化財の展示活用を図る試み・・・とでも訳すればよいのですかね?)をメインテーマとしたものでした。

 そのデジタル再現の主対象として中心に特集紹介されたのがアンコールトム遺跡のバイヨン寺院(アンコールワットでないところに玄人好みを感じます)でありました。
 また、装飾古墳VRについても副対象で取り扱ってもらいました。バイヨンに関しては日記の方で別に特集したいと思いますが、ここでは装飾古墳に関する講演内容を取り扱いたいと思います。

 私がこのシンポジウムに引かれたのは、現在の装飾古墳に関して、保存と活用の間の溝が大きすぎて、興味を持つ人間にとっては、極めてストレスが溜まる状況に陥っている。これまでの施策はもう限界で、新たな試みを導入しなければ、これ以上の活性化を図ることは不可能と強く感じていたからです。

 確かに、装飾古墳の壁画は非常に脆い存在であり、厳重な保存体制を取らないと失われてしまうものであることはよく理解します(その保存体制も著しく未確立で、厳重のはずが高松塚のような悲劇が起きてしまいましたが)。
 しかし、文化財は広く公開されなければ、安定的保存の前提である、一般者の理解や愛着が生まれるはずもないのです。石室に蓋をしてしまうだけでは発展的な保存・活用は生まれてきません。
 レプリカという手法がありますが、これとて、それが設置してある場所に行かなければ目にすることも出来ません。

 私は今、デジタルコンテンツ化、バーチャルリアリティー化という新しいハイテク手法の持つ活用性、再現性、広域性に大きな可能性を感じています。
 九州国立博物館で上映されたこれまでの装飾古墳VR映像はどれも、想像もつかなかった高品質と臨場感を見事に達成していました。技術がもっと進歩し、取り組みが一層強化されたら、実物を見るよりもリアリティに溢れ、より詳細な公開が可能ではないか、そう言った藁にもすがる思いで私は会場に足を運んだのでした。