
左:鬼ヶ城古墳の位置を示した地図、インターから北に向かって直ぐに川沿いに右折して行く右:鬼ヶ城古墳の入口から見た石室、奥室は石棚を持つ。
2基の鬼の岩屋古墳見学を終えた私は帰路につき、再度玖珠町に戻って最後の目標である鬼ヶ城古墳を目指しました。
この古墳は初探訪ですが、情報ではかなり山深くに位置しており、場所が解りにくいようです。事前にかなりの図上探訪を試した上での挑戦でした。今回、何とか辿り着くことが出来ましたが、それは非常な幸運に恵まれたからで、それがなければ私も敗退を余儀なくされていたことでしょう。
ハッキリ言って初めて行って直ぐ判るような場所にはありませんし、標識も無いといった方が良い状態です。ですから、いつもチェック頂いている大事な読者の方には、必ずたどり着けるように詳しく解説していきたいと思います。

最初の予想地図の通り、玖珠インターチェンジを越えて直ぐに川に沿って右折しました。
ここからは左の地図を参照下さい。
武内神社に向かうために、最初の橋にさしかかったところで右折して細い道をしばらく行くとT字路に突き当たりました。左の赤い屋根の民家が目印になります。
あたりを見回すと朽ちかけた方向板があるので車を降りて近づくと消えかけた字で「鬼ヶ城古墳0.6㎞」と書いてあるのが判りました(これ以降標識はありません)。
近くには鬼ヶ城の伝説を書いた看板もありました。
少し先の公民館前に車を止めて標識通りに歩いていくと、やがて武内神社に続く階段と石畳を上って行き神社に辿り着きます。
鳥居の前で反転して振り返ると里道が林の中を続いています。
これを上って200m位行くと突然視界が広がつて山中に水田が広がります。右に水田、左に林を望みながらさらに進むと、別方向から上ってくる砂利道の車道に突き当たります。
ここまでは問題なく着けますが、これからは初心者にはまず無理です。詳しく書いた地図をご覧ください。
左折して車道をほんの10mほど歩いてまた左を見ると、左に示す獣道のようなかき分け道が林の中に続いています。実はこれが鬼ヶ城古墳へ辿り着く道なのですが標識も何もありません。
私の場合、件の水田で丁度タイミング良く稲刈りが行われており、土地の方がおられて道を教えてもらったのです。そうでなくてはとても辿り着けなかったでしょう。
蜘蛛の巣をいくつもまとわり付けながら200m位歩いていくと、突然目の前に立派な古墳が現れて、今日の幸運に感謝しました。
道を聞いた農家によると、以前は立派な杉林の中にありましたが、10年前の台風ですべてなぎ倒され、墳丘も大きく痛んだようです。半分藪になりかけたブッシュの中にあって昔の面影はなく、随分と残念がっておられました。
それでも石室は頑丈に残っていました。羨道は失われていますが、前室と石棚を持った立派な奥室は変わりないと思われます。大
分の古墳で石棚は結構珍しいのではないでしょうか?
古墳の前には立派な看板が立てられていますが、ここにこんな立派な板で無くて良いから、もっと手前に何カ所か指示板が欲しいものですお願いします。

左:線刻のある左袖石通路面の全景
右:上半分の線刻文様
装飾は前室と奥室の境の左袖石の、通路側の面に線刻文様が刻まれています。図柄はハッキリしませんが縦横の刻線が無数に刻まれており、下半部分は木の葉を表すように見えます。線刻文様はストロボ撮影に不向きなので、蛍光灯の光を横から当てながら撮った写真は少々手ぶれ気味です。
左:下半分に描かれた木の葉の文様
木の葉の線刻文様は穴が葉山古墳等、豊前地域の古墳に特有のもので、その影響がうかがわれます。
この北部九州の真ん中近くにあるこの玖珠町に筑後壁画系の影響がうかがわれる鬼塚古墳と、豊前線刻系の影響がうかがわれる鬼ヶ城古墳が共存しているのは非常に興味深く想像を膨らませる事であると思います。
古墳を後にした私は先ほどの方に、「良かったです。一人では辿り着けませんでした」と再度お礼を言って来た道を降りていき、帰路に付きました。
いつも思いもかけないサプライズに助けられます。やはり探訪は何度やっても良いものです。
この様にして本日の探訪は終わりましたが、初探訪の多い充実した旅行になりました。ただ、家まで辿りつくと300㎞近い行程になりまして少々運転疲れしました。くたびれた中年体には少々キツかったです。
余談ですが、古墳へのかき分け道に入らずに、砂利道の車道をそのまま直進して50m程登ると道が右に曲がる辺りにも、また左に伸びるかき分け道がありました。入口に朽ちかけた木の標識が2個ほど倒れていましたが、いずれも書かれた文字は消えていました。おそらくこれは古墳へ入口を示す標識で、ここをまっすぐ行っても古墳に辿りつくものと予想されましたが、確認はしませんでした。
もう一つこの砂利道車道がどこから来ているかについてですが、掲載した二枚の地図を見比べて想像すると、インターの出口近くの「九州特産」の前を通る道を通って北側にまわりこみつつ登って来ると、おそらくこの道に合流するのではないかと思われました。すると車で直ぐ近くまで寄りつけることになります。細い道ですので大きい車には少し無理があるかも知れませが、稲刈りのためコンバインを乗せた軽自動車が止めてありましたから、下から登ってこれるのは間違いありません。
どなたか試された方は情報を下さい。