悲しみの千足古墳直弧文 | 蕨手のブログ

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senzoku1 今日は非常に悲しい知らせに胸が痛みました。
 日本古代、様々な遺跡や遺物に刻まれた文様の中に、直弧文と言う我が国固有の美しい装飾文様があります。
 装飾古墳にも比較的初期の古墳に描かれましたが、装飾古墳中で最も精密な直弧文を持つことで有名だった岡山県の千足古墳の文様が無残にも剥落しているのが判明したのです。
 これまで、この古墳の石室は常に水がいっぱいに溜まっている状態だったので、もう二十年くらい確認されたことがなかったのですが、記録のために三次元画像を撮影しようと思って水と泥を取り除いたところ、皮肉にも装飾の下半分、泥に埋まっていた個所がひどく変色剥落していたそうです。kakosenzokusenzoku2左 健在なころの直孤文
右 下半分が変色剥落している


 水没では悪戯はないだろうけれど、保存状態としては絶対良くないと思っていましたが、結末を見せつけられると非常にショックです。彩色がない浮き彫りだから関係ないと思われていたのでしょうか? 水を入らないようにするくらいの簡単な保存対策が何故もっと早くとれなかったのでしょうか? こんなことなら、毎年でも水を抜きながら定期公開していたら大勢の人が直に見て感動することができたでしょうし、装飾の劣化も早くに判明して、有効な対策がとれたのではないでしょうか?

 いったい何基の装飾古墳がこのように悲しく消えていけば対策が進むのでしょうか。文化財保護が重視される中で、またしても発生してしまった装飾古墳(しかも日本を代表する)の破損に憤りを禁じえません。これは天災、人災? 文化財を非公開にするのなら保存には万全の対策が講じられるべきではないでしょうか。せめて過去の画像も合わせて3Dバーチャル復元ムービーくらい作って公開して欲しいものです。

 今日明日と一般公開もあるようですが、見に行くことが出来ません。見られた方はどのような状況であったかコメントいただくとありがたいです。

この件に関する報道の画像が下記サイトで今なら公開されていますので、気になる方は早めにチェックください。
http://www.rnc.co.jp/news/index.asp?mode=1&nwnbr=2009100504