


左:糸島市立歴史博物館パネルより、日本の大鏡のランキング、勿論首位は平原遺跡の「八葉内行花文鏡」
右:二位の山口県柳井茶臼山古墳の「だ龍鏡」がここに展示してありました
東京で国立博物館に立ち寄りました。
私は九州国立博物館はいつも企画展があるたびに訪れています。で、その感覚で見積もりしていたら、とんでもなく膨大な展示物の数に溺れそうでした。やはり数では比較になりませんね館の歴史が違います。
今回は中から鏡を特集します。 記事は完成しました。

左:参考に平原遺跡の最大鏡
右:三位の奈良柳本大塚の「内行花文鏡」(左)と出土地不明の「だ龍鏡」、下に半分見えている新山古墳の「直弧文鏡」(決して小型の鏡ではない)と比べるとその巨大さを実感出来る
左:三位の鏡(1)、右:四位の鏡(3)のアップ
左:奈良新山古墳の直弧文鏡(2)
まず注目したのは、平原遺跡の五枚の最大鏡に続く、二位から四位までの超大型鏡です。
銅鏡は各地から出土していますが、中には鏡として使用するには不自然なほど巨大化した鏡が存在しています。
日本最大はわが福岡県糸島市平原弥生墳墓から出土した「内行花文鏡」五面(完存は二面、糸島市伊都国歴史博物館と九州国立博物館に展示)でなんと46.5㎝もの直径があります。
2位はそれに僅か2㎝及ばない山口県柳井茶臼山古墳出土の「だ龍鏡」、少し差がついて3位は奈良県柳本大塚古墳出土の「内行花文鏡」39.7㎝、4位は出土地不明の「だ龍鏡」38.4㎝で、これら三面が東京国立博物館に展示されていました。
最大鏡は地元に展示されているので何度も観察して馴染み深く、簡素な文様構成でシャープな印象が強いデザインです。これに対し、今回拝見した巨大鏡はどの鏡も細かな文様が細かく刻まれており、全く違った印象でした。
特に柳井茶臼山の「だ龍鏡」は雄大さに加えて文様が極めて細かく精密にビッシリと刻み込まれており、その美しさに息を飲みました。今回のベストワンミラーですね。
大きさに関係なくもう一つ大注目だったのが、勿論奈良県新山古墳出土の「直弧文鏡」ですね。直弧文は普遍的な古代文様ですが、鏡に刻まれた例は極めて稀で、当古墳出土の三面がその希少な鏡です。
内行花文鏡から派生したと考えられていますが、今回展示されていたのは、唯一直弧文が2段に刻まれ、内行花文の特徴を全く失ってしまい、進化の進んだ一面と言われている直弧文鏡です。シンプルかつシャープで呪術性を強く感じる文様構成で、本当に美しい鏡です。出会えて幸せでした。
その他にも、多くの乳突起が珍しい岡山県鶴山丸山古墳の「内行花文鏡」、文様が希少な群馬県高崎市出土の「狩猟文鏡」や栃木県那須八幡塚出土の「き鳳鏡」、大阪府和泉黄金塚古墳出土の邪馬台国につながる景初三年銘入り「画文帯神獣鏡」、美しい文様の奈良県新山古墳出土の「だ龍鏡」、さらに各地で出土して総枚数がどんどん膨らんでいる多くの「三角縁神獣鏡」等銅鏡ファンには垂涎ものの展示が目白押しでした。
左:バラエティー鏡陳列の中から・・・
右:岡山 鶴山丸山古墳の「内行花文鏡」と
下:群馬 高崎市出土の珍しい「狩猟文鏡」をピックアップ

右:三角縁神獣鏡の分類展示
左:一番左下の和泉小金塚出土の「獣だけバージョン」
和泉小金塚古墳の「画文帯神獣鏡」は景初三年銘入り
左:栃木那須八幡塚出土の「き鳳鏡」はとても珍しい模様
右:奈良新山古墳出土の「だ龍鏡」も見事です
また、山深い福岡県星野村から出土した珍しい「海獣葡萄鏡」や熊本県江田船山古墳出土の国宝銅鏡群が展示されているのを見たときには、郷土九州の至宝が遠く東京に持ち出されてしまったことに関し複雑な思いを抱きました。
勿論これらは正規購入の上収蔵されたものでしょうが、「郷土の宝は郷土で展示して欲しい」と言う想いは尽きません。
平原遺跡の至宝群が出土地で立派に展示されているのは本当に誇らしい姿で、地元に残すことに心血を注いだ原田大六氏の功績を強く感じたことでした。
東京国博特集はまだ尽きません。
左:山深い福岡県星野村で出土した珍しい「海獣葡萄鏡」
右:熊本江田船山古墳出土の貴重な鏡群もすべてここにあります