キツイ登りを完登出来た人だけが辿り着ける奥津城です。解説板の後の盛り土が古墳です。小さいが立派な墳丘
本日は筑前町の砥上観音塚古墳一つに絞って探訪して参りました。ここを訪れるのは2回目です。砥上岳の麓にある中津屋神社に集合して徒歩により現地を目指します。観音塚古墳は筑紫平野を見下ろす砥上岳の中腹稜線上に位置しており、麓から30分余り山歩きしないと辿り着けないのです。
羨道入口から覗いた石室内、中に袖石が2箇所見えて、珍しい三室構造をしていることが判りますか?
現地に集まったのは20人余りと余り多くなく、案内の学芸員の方について結構足早な登山が始まりました。久しぶりの山歩きでしたが、程よい疲れがかえって快くもありました。
急斜面を登ったところにある観音塚の周囲は綺麗に管理されていました。石室内も保存状態は問題なく、壁画も数年前に見た時と変わらず健在でした。
この古墳、大変珍しい三室構造をしていますが、壁画の主体をなす奥室は小さめで、石屋形の変型例と見て良いと思います。
壁画の全貌、石屋形様の奥室右袖石には下から槍を立て持つ人物、同心円文等、左袖石は褪色していますが槍の様なものを乗せた舟等が微かに、奥壁右側には珍しい星状文様、その下に騎馬人物を乗せた舟、その下に小さい舟、上段には2列2段に舟の羅列左下には馬の様な動物らしき文様等、その他、よく判らない文様も多数あります
両袖石と奥壁に赤一色で多数の舟、槍を立て持つ人物、同心円文、星形文、騎馬人物、動物様文等と多彩な文様が描かれています。特に星形文と舟上の騎馬人物は極めて珍しい(おそらく唯一例?)文様で、その非常に貴重な壁画であると私は思っています。
しかし、正式な学術調査が為されたことがないために、壁画の全容が詳細に検討されたことが無く、その位置づけが極めて低く留まっているのが不満極まりないです。
もっとも、だからこそ直に石室内で観察出来る数少ない古墳であってくれる訳でありますが・・・・・・壁画の保存状況も一応良いようで、私が好きな装飾古墳の一つです。この様な装飾古墳が一つくらい残っていてくれるのは有り難くもあります。
ガラス越しや入口越しに遠くの壁画を眺めるのが装飾古墳見学の通例ですが、この様に石室内に入って十分に壁画を観察出来るのはやはり感慨が違います。最近は余り機会がありませんが、装飾はやはり石室内で近くから遠くから眺めてこそ、その本当の素晴らしさを実感出来るものですね。本当に良いものです。保存上は問題があると言うことは判っていますが、装飾古墳から感動を得、理解し、好きになり、守りたい気持ちになるには、その石室内で壁画を存分に堪能したい。双方矛盾した本当に難しい課題ですね。
ひとしきり壁画を堪能した後、案内して頂いた方々と歓談しながら、先程息を切らせて登って来た山道を降りていきました。本日はその他にも色々公開された古墳がありましたが、ここで満足して帰路につきました。