薬指の標本 | 明るいワラビネーゼの生活

明るいワラビネーゼの生活

自称ご近所に住む漫画家北川玲子/きたがわれいこが、毎日のちょっとした出来事や楽しみごとを書いて見ました。
週末は長年習っている大人のクラシックバレエのことを4コマ漫画にしてアップしています。

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またあけてしまいましたね


仕事がいそがしかった


わけではなく


実はヒマ


わたしにしてはヒマで


そういうことは漫画家としてはマズいわけなんで


編集さんに仕事くれとか


電話したり刷りだしやサンプルなんか
送ったりするわけなんだわけど


そうするとヒマなのになんだか忙しくて


ヒマである意味もないわけで


すこし休憩して
本読んだり
DVD見たり
バレエ見に行ったり
おやつ作ったり
部屋片付けたりしています



少し読んだ本のこと
とか
見に行ったバレエのこととか
書きましょう


小川洋子さんの
「薬指の標本」


これはわたしには
大・大・大ヒット


ずばりわたしはこのお話の
主人公になりたい


主人公は現実にはありえない
奇妙ですてきな標本室で働いているんですが


わたしもこの標本室で働きたい


標本技師の弟子丸さんに会いたい


彼の作った標本を見たい


彼から靴をプレゼントされたい


でもそれは無理でしょう
わたしはおばさんで現実に生きている人間だから


2つ、お話が入っているんですが
もう1つの「六角形の小部屋」という作品もすてきなお話で


ありふれた住宅地の公園の林の奥に
ひそかに人が集まる
語り小部屋というの場所が出てくるんですが


わたしはこの六角形の小部屋の
番人になりたい


どちらも短くて
不思議で
ちょっとミステリアスなお話で


でも優しい


お話が永遠に終わらなかったら
いいのにと


読み終わった後
自分がお話の登場人物などではなく

現実に生きているのが
ちょっとさみしくなる
すてきに危険なお話ですね


ついでにこの「薬指の標本」は
フランス人のある映画監督が
とても気にいって映画にしたというので
借りてきて見たんですが


ちがう
ちがうぞフランス人


ネットのレビュー見ると
けっこうみなさん
絶賛なんですけどね


画面はとてもきれいなんだけど


映画は登場人物が攻撃的すぎるし、
エロチシズムを強調しすぎている気がしますね


標本技師がオヤジで妙にキモい


原作のほうがいいというのは
ありがちですが


小説の世界に流れる独特の
「癒やし」が足りない


そしてワタクシの中の弟子丸さんは
見た目草食系の
スリムなイケメンざんす


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