新年はソシャゲにどっぷりな男、蕨です。
今回は皆さんの記憶に新しいであろう、令和元年の6月末から7月にかけて発生した九州南部大雨の被災箇所の一つを取り上げます。
九州南部大雨は、九州南部を中心に多大な被害をもたらした約一週間にも及ぶ大雨による水害になります。
鹿児島市内では和田川が氾濫して和田小学校が浸水したり、JR指宿枕崎線の南鹿児島駅裏シラス壁が表面的に崩落、世界遺産に登録された寺山の石窯が崩壊する等の被害がありました。
また、交通インフラに与えた被害も大きく、県道19号線の採石場付近で中規模の路肩崩壊が発生した他、県道23号線や県道291号線、烏帽子岳自然遊歩道の平川ルート等が大きく崩落し、中でも烏帽子岳自然遊歩道平川ルート(通称:平川林道)は道のついていた地形がまるまる消失したまま今に至ります。
令和による大水害といえば最近発生した熱海の盛り土による土砂二次災害や、令和2年の熊本県を中心とする球磨川氾濫が有名ですが、鹿児島南部の県民の中では被害が大きかった水害としてこちらを挙げる人も多いと思います。
今回はそんな九州南部大雨の爪痕、星ヶ峯団地裏の崩落地を探索しました。
地図オレンジ線が市道 宮川小星ヶ峯線、赤線がその被災区間です。
現在は復旧工事が完了しています。
星ヶ峯団地の恵宝神社から側道のような小径を進むと被災区間に出ます。
この小径は市道 宮川小星ヶ峯線という名称で、星ヶ峯団地が出来る以前、蕨野集落が広がっていた頃からの道路になります。
ちなみに塔之原での交差点以降は廃道化しており、実質的に宮川小学校跡(現・宮川野外活動センター)へは通じていません。
廃道を市道認定していたり、そもそも市道名の小学校が全く違う場所に移転している等は鹿児島市の愛嬌です。
被災区間全容。
ここは元々鬱蒼とした尾根上の道路で、道の両脇は草木の生い茂る崖となっていました。
九州南部大雨の翌週ぐらいに野暮用でここを訪れた際、通行止めとなっていた為迂回に苦労したことを覚えています。
その際被災区間の中央付近は大きく沈降し、路面には大きなヒビが入っていました。
作業時の場所として整備された痕跡がありました。
写真奥の小径は鉄塔巡視路です。
路肩。尾根を無理矢理削り切り、新たに盛り土を積むという工事がされていました。
尾根を削ったのであればいっそ橋にした方が早そうな地形ですが、メンテナンス頻度を低くする為盛り土を選んだ気がします。
あと尾根を一個失くすだけで水の流れ等がどうなるか分かりませんしね。。。
反対側の路肩にはなにやら土木用ポリエチレン管が延びていました。
ごみを捨てるなという看板。
ちょっと感動的なのが、この看板がある位置、崩落前に同じ内容の立て看板があった場所と同じなんですよね。
だからなんだって話ですが、ハイ。
路肩を正面から。
まさに尾根上というのが分かると思います。
反対側の路肩。
こちらは先ほどのものを含むいくつかのポリエチレン管が収束して水路に放水し、それが団地内の別施設に繋がる構成になっていました。
最初の作業スペースとは反対側にも同様のスペースがありました。
こちらは比較的藪ってます。
崩落区間全容。
最後にオマケとして、市道宮川小星ヶ峯線の廃道区間入り口を紹介します。
鹿児島市さん、整備する気がないなら認定はやめてくださいな。。。
今回の探索はここまでとします。