俺はいままでなにを…… | Study Hard

俺はいままでなにを……

 もっと勉強しておけばこんなことには……

 でも、「何かうまい方程式/モデルはないか」だって?
 待ってくれ。本当にちょっと待ってほしい。だって多様体ですら1つの式でうまく表現できる保証はないはずだ、たぶん。ましてや、現実の像たるモデリングにおいて、大域的にそうそう都合のいい話があると期待する方がおかしい。
 いや、俺だって在ってほしい。でも、学問ってのは常に希望的観測の外にあるもんじゃないか。希望的観測=既存の系の延長線上に居られるなら、それはもう技術屋の仕事だ。

 自分は専門家ではない。本質的な変数のことはわからない。
 だからこそ、局所的にモデルを作って切り貼りすることしか出来ないし、モデルとモデルの接合点の挙動なんて知らない。
 とにかく局所的に何かを言うのは結構簡単なのだ。RCSにしたって、個々の部品のRCSってのは簡単に測定できる。しかし、それが組み立てられて複雑な条件下で飛び回ると、果たしてその時の"RCS=一価関数"ってなんなのって実はよくわからない(はず)。

 よくわからない、というのは嘘かもしれない。というのも、現代数学はもうちょっと進んでるからだ。
 一意的な値を求めようとするから無理があるのであって、簡単に言えばノイズを加えてやればいい。そこで登場するのが確率微分方程式だ。微分方程式に1次 元ホワイトノイズでも付け加えてやれば、如何にもありそうな結果が出てくる。値の代わりに分布を示してやって、あとは気の効いた所で「おさえて」やればそ れっぽい範囲も出てくる。
 ランチェスターの法則だって確率微分方程式に拡張してやれば、きっと内局ぐらいは誤摩化せる目くらましになるだろう。でもそれが何を意味するかはやっぱりよくわからない。ランチェスター則はあまりに抽象的だからだ。

 それはそうと、何か新しい面白い式やモデルがないかと気軽に聞かれても困ってしまう。むしろ世間は、RANDみたいな場所がまた新しいものを作らないかなと無責任に期待してるだけであって、モデリングと言っても大半は馴染みの統計モデルか線形計画法まででお仕舞いだ。
 大体、微分だって双線形写像だ。我々はまだ限界革命(※)の中にあるとさえ言える。非線形⇔非可換な数学が発展すれば(※※)あるいはと期待もするが、如何せん始まったばかりだ。

(※)この場合は線形性と置き換えても可。
(※※)http://www.fz.dis.titech.ac.jp/~murofusi/rims2007/

 現代数学が従来モデルに直ちに寄与できることと言えば、確率解析の応用しかない。それは明らかに求めるものとは違う。
 悪口ではないと念を押しておくが、物理屋はあまりにも楽観的だ。物理学はあまりにも「進み」過ぎている。社会科学モデリングは、まだ熱統計力学のレベル=マクロとミクロの統合にも到達していないし、古典力学のような力強い理論を提唱できたこともない。

 つまり、既存の数学に解決策があると期待されては困るし、数学者だって数学はそんなもんじゃないと言うだろう。
 確率微分方程式や離散数学に希望的観測を向けられても困惑するばかりだ。必要なのは、それらを包含し、かつ新しいモデリング手法を作り上げることに過ぎ ない。その手法がその場限りのもので終わるか、最高学府の演習室で講じられる代表例になるか、そんなことは誰も知らない。

 過度に決定論的な世界観に生きていると、ゲーミングやエージェントベースが好きになれないだろう。しかし、一意的な解を求められてもまた困ってしまうの だ。そんなのは大人の作法でも意思決定の必須事項でもなんでもない、ただの我が侭だ。もし一意的な解を求めるなら、解の存在と一意性を証明する責任は本来 なら求めた側にある。

【寝る前に最近浮かぶアレ】
内:いい子いる?
俺:いい子揃ってますよ。
内:じゃあ1人。
俺:こちらから選んでください。
内:適当に選んでよ。
俺:ご希望のタイプは?
内:とにかく全部だね。
俺:なんでもって子はわかりませんね……
内:わからない?
俺:可算濃度いるので……
内:じゃあいるでしょ。
俺:幾つかのタイプなら見繕えますが。
内:1人で全部の子がいいね。
俺:それは居ないかもしれないとしか……
内:じゃあどうするのよ。
俺:……