駒寮百年 | Study Hard

駒寮百年

 駒場の内を比ぶれば夢幻の如くなり

 未だに駒場の長老の権威が健在であることを思い知らされた。
 今日は学生支援課にちょっとした用事があって、一言二言告げて帰るだけのつもりだった。存外に窓口が混んでおり学生支援係の某氏は外に出てきた。一、二 分で終わると言っていざ話を始めようとしたとき、須藤さんが何かの用事で来訪した。そして私と某氏の姿を認めるやわざわざ近くに寄ってきた。須藤さんとは 何の関係もない話だったのでそのまま話を始めようとしたところ、急に某氏が落ち着きを無くし場所を移動しようという素振りを見せた。

 その時は何とも思わずに場所を移動したのだが、今思うと、ああ涙が出そうだ。考えてもみよ、敗軍の将である駒寮の叩き上げの御大将が単騎駆けて来て今は 亡き学生自治の敵を蹴散らしたのだ。斯様に高貴な御方が私のような雑兵に目を掛けて下さる現状に胸が締め付けられる思いだ。世が世ならば一城の主であった ものを。
 その後ろ姿の向こうにブランデンブルク門に迫るIS-2とT-34/85の大軍が見えるではないか。奇しくも彼の名前は虎太郎。通称タイガー(実話)で ある。今や付き従ってきた歩兵たちも無く、中隊規模であった「師団」は手負いの虎を一匹置き去りにして文字通り潰滅した。しかし彼への命令は未だ解除されてはいない。