米空軍のウォーゲーム | Study Hard

米空軍のウォーゲーム

U.S. Air Force War Game Looks Out to 2025
http://www.defensenews.com/story.php?F=1153537&C=america

 "finding a nuclear weapon in a Middle Eastern country"には不覚にも笑わされました。
 それはご愛敬として、ウォーゲームと言っても色々あるわけですよ。教育用か研究用か、教育用なら誰を教育するのか。どの程度の規模で実行するのか、方法はどうするのか云々。とまあこんな調子ですね。もちろん「ホビー」用もありますよ。

 もしウォーゲーミングについて多少造詣を深めたいということであれば、ピーター・P・パーラ(Peter P. Perla)著、井川宏訳の無血戦争(原題:The Art of Wargaming)なんか悪くないかもなあと思いますよ。
 日本語版はちょっと手に入りにくいようですが、もしかしたら、まだ神保町の書泉ブックマートの2階の片隅に置いてあるかもしれません。

 よく誤解されるところですが、ゲーム中において「サイコロを振る」という行為はナンセンスではありません。ゲームには必ずプレイヤーがおり、そのプレイヤーは必ずある特定の地位・職務ないし権限を持った人間のロールプレイをします。そしてサイコロを振る行為は、そのプレイヤーにとって意識的に触れることが出来ない過程、つまり「ランダムプロセス」であるということを意味しているわけです。

 例えばプレイヤーが師団長だとすると、そのプレイヤーは師団長としての権限の範囲でのみゲーム中の指示を出せるのであって、個々の戦闘の重要な場面に出て行って中隊長の真似をすることは出来ないわけです。
 現実にはそれも不可能な話ではありませんし、現に元帥(上級大将だったかな)が中隊(小隊ではないはず…うろ覚え)の指揮をとって(その部隊長は後ろで黙って見ていたんだろうか)対空砲(でも設計段階から対戦車射撃を考慮)に戦車(兵曰く鉄の棺桶)への射撃を命じたりしてるわけですから、「ゲームが現実を反映していないのはおかしい」と言う人もいるかもしれません。

 しかし、ゲームの大切なところは「そのゲームの作成者(あるいは要望者)が重要だと思うところ、表現したいところ」だけを取り出して、そこを(繰り返し)プレイ出来るところであり、あらゆる現実をそのままに体現することではないわけです。
 つまり「師団長が中隊の指揮を執れるルール」を付け加えることも出来ますが、そんなルールを付け加える意味が対象のゲームにおいてあるのか、という辺りも考慮しないといけないということです。「ホビー」用のウォーゲームでもよく聞く「プレイアビリティー」というやつにも関わってきますね。

 ちなみに、ウォーゲームを窮極まで大きくしていくと大規模演習に到達します。ここまで来れば、師団長が中隊長を押しのけて中隊の指揮を執ったりも出来ます。そんなことして左遷されても知りませんけどね。
 簡単なボードゲーム程度ならともかく(それでもプレイヤー同士の都合を合わせるのに苦労したりしますが)、ウォーゲームと一言で言ってもコストが掛かるわけです、実際に兵器を動かしたりもしますし。費用対効果ということを少しは考慮しないといけませんよ、ということでもあります。

 戦史研のS君は「費用対効果」という言葉をマクナマラの亡霊みたいに嫌うようですが、大切なのは「費用と効果に直接の因果関係はない」ということを「費用対効果」という言葉から理解することですよ。

 そしてホビー用ウォーゲームで一番大切なのは「サイコロを振るときの気合」です。