前回の続き。

 

貝の和音=Shell Chordとは、3note voicingの事です。(Shell Chordとも言う)

 

「ルート、3rd、7th」の3つの音を使います。(7は6と入れ替える事もあります)

 

リズ・ムセクション(特にビッグ・バンド)ギターならではの4つ切り(Swing Strumming)奏法の時に主に使用されるコード・ヴォイシングで、Big Band Style あるいはFreddie Green Styleとも言います。

 

あしあとあしあとあしあとあしあとあしあと

 

前回は、たった2種類のShell Chord でブルースをやっちゃうという軽業を紹介しましたが、

 

Root 3rd 7th                          Root 3rd 7th

 

Shell Chord には他の抑え方も存在します。

 

今回はいろんな Shell Chord の紹介とそれを使ってできるエクササイズをいくつか紹介しましょう。

 

上差しShell Chord とは、7thコードから5thを抜いた3音コードの事です。

 

 

R,3,7(6)R,7(6),3の2タイプあります。

 

それら3音がコードの殻(大事な音)という事なんでしょう、おそらく…(学生の頃、先生に「5thはベースが担当するから省いたほうがいいよ〜」・・・と教わりました)

 

足ルートはそのコードの位置を示す

 

足3はメジャー、マイナーのタイプを示す

 

足そして7又は6もそのコードのキャラを表しています

 

足5thは使いません、ので、m7 と m7♭5は同じShell Chord を使います。

 

足m6 とdim7も同じShell Chordを使います。

 

上差し論より証拠、先ずフレット上にあるShell Chord を弾いてみましょう。

 

まずはR,7(6),3から見てみましょう。

 

譜例1)

注)m7 と m7(♭5) は同じShell Chord(5thを省くので)

注) m6 と dim7は同じShell Chord(6=dim7)

注)7は6と入れ替える場合があります。

 

譜例2)

 

 

譜例3)

注)ウクレレ・コードとはなんじゃらホイという事ですが、ギターの1.2.3.4弦(ウクレレと同じ)を使うので、私が勝手に命名しました(なんとなくそれっぽいでしょ?)レッスンの時「そこのカッティングはウクレレ・コードでやったらええかんじやで〜」ってな会話に出てきます。

 

あしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあと

 

 

上差し次はR,3,7(6)です。

 

譜例4)

注)m7 と m7♭ m6 と dim7は同じShell Chord

注)低音弦がモコモコして上手く響かない場合もありますが、ギター・トーンのセッティング次第では使用可能です。

 

 

譜例5)

注)m7 と m7♭ m6 と dim7は同じShell Chord

 

 

譜例6)

注)m7 と m7♭ m6 と dim7は同じShell Chord

注)こちらのウクレレ・コードはウクレレにも使えます(チューニング同じなので)

 

 

譜例7)

注)m7 と m7♭ m6 と dim7は同じShell Chord

注)こちらのウクレレ・コードは更にそれっぽいです。

 

 譜例1〜7までを一通り弾いてみてください。

右手はStrumming(ストローク)でも、指で爪弾いても構いません。サウンドのキャラクターに注意しながら弾いてください。

 

 

上差しそれでは実際のコード進行に当てはめてみましょう。

 

譜例7)まずはこれを弾いて、Shell Chord のキャラクターに慣れてください。

注)通常、トニックのコードは6thを使います (Maj7より安定したサウンドでメロの邪魔をしません)

注)7と6は入れ替える事が出来ます。(7thがある時の6は13というテンションになります)

 

酔っ払いどうですか?ちょっとビッグバンドっぽいでしょ?

 

Shell Chord はとにかく慣れが必要で、メトロノームに合わせて4分音符を刻んでください。

 

左手でミュートのコツを掴むのに少し手間取るかもしれませんが、切れのあるStrumming が出来るようになったらバンドでもソロでもデュオでも、使い所はたくさんあります。

 

あしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあと

 

前述の譜例7に慣れてきたら、前回でも紹介したアプローチ・コードを入れる練習です。

 

譜例8)

いかつい譜例ですが、ただ半音使ってうねうねさせてるだけなので・・・(ゆるしてちょ滝汗

 

Swing Strumming(4つ切り)スタイルは右手と左手のコンビネーションがとても大切ですが、これを言葉で説明する事ができません。4分音符をカッコ良く刻むのはとても難しくて ベーシストとドラマー(細かく言うとベース・ラインと と ライドシンバル 又は ハイハット)とギタリスト三名が文字通り一体となって4分音符に命を吹き込む?というジェダイの戦士(超能力の意)のような演奏をにこやかにやっておるのです。

 

是非実際の音を聴いて押さえ方のみならず、グルーブの出し方も学んでください。

 

Wynton MarsalisがSwingのリズムセクションについてとても分かり易く説明しています。

ここでギターを弾いているのが James Chirilloです。彼はFreddie Green Styleを追求している希有なギタリストです。

 

 

こちらの動画も参考になります。

 

私の著作シリーズです。