今から五年半前のブログ記事です

改めて、兄 宣仁(のぶひと)の御魂へと贈る…



この記事を書いている

平成三十年 弥生は十三日

もうすぐ桜の節…


あとひと月もしたならば

私たち日本人の心の花々が

辺り一面を埋め尽くす喜びに



平成二十九年四月十五日


靖国神社と千鳥ヶ淵を右手に

東京駅を左手に遣り過し


歴史ある帝国ホテルで執り行われた

君のこだわりの挙式


その晴れの姿は僕にとっても

心に秘めた掛け替えの無いものでした



君と別れてから早いもので

今春でもう五十九年が経ちます


幼い僕にとっての

今生に於ける悲しみの原点は


心優しき君にとっての

遠い過去の物語でもありました


今改めて

兄ちゃん、さよなら…






少し恥じらう二十六歳の君は

とても誠実に見えました


そして六十の私からしたら

その姿は初々しく

微笑ましい爽やかなものでした



若き君を目の前にして


男女が結ばれることの意味を

今改めて…


心に温める機会を得たような気がして

なりません



桜花の爛漫ひとしきり終え

散り加減ながらも余韻を残す

四月半ば 春の日…


千鳥ヶ淵を見ながらの

東京駅すぐ近く


君の挙式に列席をさせて頂きました


君の生まれた家は

私の父親も そして兄も

ともに長男として生まれた家


そう言った意味で

私にとっても

ひとつの節目でありました



私が君に贈る言葉は

至って味気ないものですが…


夫たるもの いつまでも

君に命を預けた ひとりの女性


そう、今このとき

君に寄り添う可愛い妻を

大切に…



ひとを大切にしてください

然も自分を愛してください


そして何より長生きをし


この人生で

様々な経験を積んでください

楽しんでください



そして最後に


君が拘った 君の名の通り

千年もの長生きをしてください


祈っています

千歳くん…






近頃、

父方親戚の若者が挙式を挙げた


新郎は私の従兄弟の長男

彼に会ったのは此度でたったの三度目


後生の人々の幸せを願い信じる

私のスタンスは極々ありふれたものである


そしてそのことは

誰しもが内面に持する

至極当たり前で普遍的な願いに他ならない



挙式へのお招きに預かり

新郎新婦たちとの時の共有と申せば

甚だ僭越とは存ずるが


亡き父 亡き兄の生家の吉事

喜んで列席をさせて頂いた



新郎の御歳 二十六

新婦は普通に彼の母親に近い年齢


互いに余程 強い絆で繋がり

生まれて来たのだろう



そのことに関心を持ち

そのことについて話し掛けて来る

近い親戚縁者もいたが


本人同士が堅固な絆で

出会い結ばれることが必然である限り

何ら不思議なことでは無い


私は信念を持って、そう言い切る





以前に僅かの間だけ

或るブログサイトに

記事の投稿をさせて頂いたことがある


それはお読み頂いた方々との

束の間の時の共有、忘れ難き想い出


読者の方々からしたならば

或るひとつのテーマについて綴る時の

私の記事について


何とも異質で不思議なものに

思われた方々もおいでであったろうと

今更ながらお察しする



自分のことについてのみ申し上げれば

過去 現在 そして未来について理解している


本当である


厄介なこともあるが

元より、そのように生まれて来た



私には二つ歳上の兄がいた

優しい兄だった


寒の戻り厳しい節 

今から五十八年前に


自宅からほど近い

開通間もない国道4号線で

彼は酒酔い運転の三輪自動車に飛ばされた


私に‘’バイバイ‘’と優しく声かけして

遊びに外出し

終ぞ、生きては帰らなかった


あれが最期だった



借家住まいの我が家のすぐ近く

国道4号線が開通をし六年後のことだった



まる四歳七ヶ月で他界をした兄は

初めから分かっていたようだ


そして私も、

そのことを知っていた



兄が短命の選択をした為に

その他界から十年後に生まれた女性は

ただひたすら、待った


本来もっと早く

この世に生を受ける予定だった

彼女だが、急遽…


生まれるタイミングと

生まれる両親の設定を変えた


そして

常世で夫婦の約束をしている

夫となるべく彼が、また生まれ変わり


相応しい強さと

糧となる社会経験を積むことを


ひたすら待った





兄は急ぎ転生をした

時にいたずらな余裕が無いからだ


人生が移ろい

当たり前に親も変わったが


三十六年前と同じ家に

同じく、長男としての生を受けた


その女性と今度こそは

必ず出会い、そして結ばれる為に…



兄は転生にあたり

自らの名に


長生きに対する強い意志を込め

それに相応しい名を、選んだ


五十八年前の出来事に学び


自分を愛する人々を悲しませることの

罪深さを知り


自らの名に…


今度こそ生きると言う

心からの飽くなき願いを込めた


千年もの長生きをするようにと…



誰も知らない、私たち兄弟の物語である


誰も知らない…



彼のこれからの幸多き人生への

花向けの言葉として


そして、

妻たる彼女への感謝の言葉として


敢えて、綴らせて頂いた



神道家 伝道師ひふみ 八城寿典



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※ブログ中の画像は、お借りしました