名もないある日のこと
ボクらと良く似た目の獣が
ここに出たらしい
誰かのすぐ隣で静かに牙を立てる
被写体 アリバイ 辿って
あいつを吊るせ そいつを吊るせ
予定調和で誰かが笑う
いつからボクと目を合わせずにいたのだろう
君の言葉は信じていたいのに
「どうして、こんなことに」
「くそ、ふざけんなよ」
「まだ終わらないのかよ」
「こんな所じゃ死ねない」
疑い戸惑い 闇の間の
明けない知らせ 鐘は鳴る
占う先の戸を叩いた 汝は人狼なりや?
信頼 背信 掛け違い
夢の狭間 恐ろしい夜が来て
爪弾き合っていくんだ ぽつり零す
君は黒?
名もないある日のこと
空腹を満たしましょう
ああ 足りない 足りない感触
信じてくれるのなら最後に食べてあげよう
身体も心も君ごと
儚いことよ 人の心は
いとも容易く壊れてしまう
あの日に偽物だと言い聞かせた心だ
そんな瞳で 見つめないでよ
「信じてたのに」
「僕じゃない」
「ぜってぇ許さねぇ」
「さあ、投票の時間だ」
完全犯罪 夢の園
たとえ神に背いても
止まらぬ欲が蠢く 汝は人狼なりや?
紅い口が疼くのは
愛しい君の声が聞こえたから
理由など 在って無いものさ ただ呟く
「ボクは白。」
「殺人が起きたのはまふまふ家の前だったな」
「じゃあまふがやったって事?」
「ちょっと待ってよ!僕じゃない!」
「じゃあ誰だってんだよ!」
「知らないよ!」
「うーん。でも俺とまふには
アリバイがあるからな」
「そうだよ!昨日は坂田と一緒にいた!」
「そういうそらるさんだって
第一発見者ですよね。」
「じゃあカミングアウトするよ。
俺は占い師でうらたくんを占った。
結果は白だった」
「なるほど。
俺からすればそらるさんは味方か」
「適当に苦し紛れに
言っただけかもしれないじゃん!」
「確かに怪しい!」
「そういえばキミもアリバイないよね?」
「そっかぁ じゃあキミも怪しいねぇ」
「じゃあ悪いけど」
「キミで決まりかな」
どれだけ君を 信じてみても
冷える背筋と 合わぬ辻褄
意地悪い シナリオだろう
鳥籠に残された
ここには救いは端からないのに
疑い戸惑い 闇の間の
明けない知らせ 鐘は鳴る
占う先の戸を叩いた 汝は人狼なりや?
昨夜 月も寝静まる頃に 君は
耳を生やしていた
爪弾き合っていくんだ
ぽつり零す 笑みを背に
「ボクが黒」