シナリオどおりの恋は

もうすぐ終わりを迎える

観客は誰もいない

孤独なステージの上

僕に与えられたのは

嫌われ者の悪役で

君と結ばれる人は

僕じゃない他の誰か

立ちすくむ二人の影

スポットライトが照らす

決められた台詞どおり

僕はサヨナラを告げる

なぐさめの言葉どれだけ並べたって

結末はもう変わりはしないし

ちゃんと君が大嫌いになれるように

最低最悪の

僕を演じるよ

半端な優しさなんて

毒にも薬にもならない

幸せを願うのなら

傷つける勇気がいる

足下にこぼれ落ちる

その涙の数さえも

はじめから決められてる

抗うことはできない

ハリボテの街が夕焼けに染まって

僕たちの別れを彩る

見てくれを整えるために着飾った

恋愛感情は

脱ぎ捨てる

BGMが終わる頃

ステージは

暗闇に包まれてく

暗転の隙に君の手握り締め

遠いどこかへ連れて行こうか

そんな想像をする暇さえないくらいに

一分一秒が通り過ぎてゆく

君をひとり舞台に置き去りにして

振り返ることなく立ち去る

もう二度と顔も見たくないってくらいに

最低最悪な僕になれたかな?

ゆっくりと幕が降りる