昨日、職場に入って間もなく携帯が鳴った。

嫁からだ。

仕事中の時間なのにわざわざ電話かけてくるという事は緊急事態なわけで、当然娘の事を連想する。

出てみるとやはりそうで、朝起きた時はいつも通りご機嫌だったのに、急に大泣きして何をどうしても全く泣き止まないと。

そのうち頻脈になって、血中酸素数値も下がってきたらしい。

娘はサチュレーションを見るためにモニターをつないでる。

こういう感じのやつ。


平常時で大体脈拍150前後、酸素数値は100~95、低くても90切らない。

これが脈拍200以上、酸素数値も70以下にまで下がった。

『不穏』という状態だ。

入院中も二度ほどこういう事があった。

200以上の頻脈があまり長く続くと心停止の危険もありうる。

こういう時のために病院から鎮静剤が出されている。

対処できるのが自分1人という、ともすればパニックになりかねない状況下、嫁は極めて冷静に、かねて病院から指示されていた通りのやり方でクーリング、鎮静剤投与等の処置を行い、すぐさま病院に連絡して処置に間違いはないか確認、今後の指示を仰いだ。

ここまでの嫁の対応は完全に正しいそうで、ひとまず酸素量は一気に4倍まで増やして様子を見るという指示だった。

やがて鎮静剤の効果が出て、娘はいつもの様子に戻り、「ん?何かあったの?」って顔でご機嫌だったそうだ。

そしてすぐにぐっすり寝た。

嫁はよほどの不安と戦ってたはずだが、見事なほど冷静に思考し行動した。

娘が安定状態になった時、初めて涙が出てきたそうだ。

以上の事は「こういう状況になって、こう対処して、今はもう大丈夫」という事後報告としての電話で聞かされた。

本当に感謝の言葉しかない。

娘は数少ないながら突然、何の前触れもなくこの不穏状態になるが、なぜこの症状が起こるか原因はわかっていない。

入院中にこの症状が出た時、ありとあらゆる検査をしたが原因がわからなかった。

実は娘の体についてはまだわかってない部分がかなり多い。

喉頭軟化症の根本原因、関節拘縮の根本原因等、これらがわかれば総体的な娘の病名がつけられるはずだと担当医に説明されている。

○○症候群みたいな。

でもこれらの原因が全くわかってない。

遺伝子レベルの検査でもわからない。

わかってないから、娘には目に見えて現れている症状としての個別の病名だけがつけられている状況だ。

根本の病名ではない。

不穏もこれらのまだ不明の原因に関わってるのかもしれないし、独立した要因なのかもしれない。

「あくまで推測だけど」と断った上で、かつて担当医の先生は不穏の原因に関してこう説明してくれた。

娘は関節拘縮に見られるように、体の関節がまだ固い。
よって、体温を逃がすのがまだうまくいかない。
不穏の時は体温も高いから、それが原因なのではないか。
成長とともに体の可動範囲も広がって、体温調節もうまくできるようになればこの症状もなくなるのかもしれないし、そうじゃないかもしれない。

まあ、とにかくまだ謎の多い子だ。

体の熱が逃がせないとかね。



こいつしか思い浮かばん。笑

どうしよう、成長してから「この世はしょせん弱肉強食。」とか言い出したら。笑

おそろしい子!

こんなアホな事言ってしめられるのも全ては無事だったから。笑