娘がまだ入院していた頃の話である。

娘はやたら欠伸をして明らかに眠くなってるのに、なかなか寝つけずぐずっていた。

トントンしてあげて、だんだん寝そうになってるのにいまいち決め手に欠けるので、ここは子守歌を歌う事にした。

ちなみに嫁は搾乳のため席を外している。

どんなのがいいかな。

あまりテンポ速すぎてもゆっくりすぎても気持ち悪いだろう。

抱っこされてる時の大人の心拍に近いテンポ♩=60ぐらいがいいかな。

それでトントンしてあげながら歌ってあげよう。

このテンポに近い歌はなんだ?

ん~…

ポクポクポクポクポク



チーン!




一致。


いや、そんな事はいいんだよ。


見つけたわ。
いい歌があった。

俺「娘~、子守歌歌ってあげるからねんねしようね~。」

看「わ~、娘ちゃんよかったね~。気持ちよく眠れるね~。」

俺「ビャー!タッタッタッタッタッ、シャーンッ!デッデデデデッ!デデデデッ!デデデデデデデデデ!」

看「え、え、え?」

俺「じーんせい楽ありゃ苦ーもあるさーデデデデデデデデ!」

看「え、それ?」

俺「涙の後にはにーじも出るーデデデデデデデデ!」

嫁「ただいま~。ん?寝てるの?」

俺「あーるいてゆーくーんーだ しーっかーりーとーデデデデデデデデ!」

嫁「また変な歌歌ってる!」

俺「変な歌じゃねえわ!国民的な名曲だろ!」

嫁「歌うなら童謡とか、ちゃんとした子守歌を歌えって言うの!寝るの邪魔してどうすんの!」

俺「寝てるがな。」

娘「スースー。」

嫁「う!ほ、ほんとだ!」

看「寝るんだ。笑」

俺は全て考えた上で行動しているのだ。

全て計算通りなのだ。

世界はこの手の内なのだ。

私、失敗しないので。