私は歌う事が苦手で、人前で歌うなんざ、もってのほかだった。
が、隣の席の人の前では、毎日、歌っていた。
その下手くそな歌を毎日、聴いてくれたいた事に最近気が付いた。
なぜか、全く気が付かなかった私です。
高校生活の中で、一度だけ、一緒に下校した事があった。ノートを借りるために、彼の家に寄ったのだ。
私の家は山の上にあって、その道は、暗くて気持ち悪い感じだったものだから、彼が家の近くまで、送ってくれた。
何事もなかったが、覚えている。
そんな時でも、私はまだ気付いていない。
今、思えば、どんだけ鈍感なんだと悔やまれる。