1989年製作のポリス・アクション「サンタモニカ・ダンディ」を鑑賞しました。



深夜のコンビニで黒人のオーナーと駆けつけた警察官が射殺される事件が発生、ロサンゼルス郡保安官事務所の刑事ベックは強盗事件で逮捕され仮出所したバーンズの犯行だとにらむ。



バーンズは白人至上主義の組織に属しアリゾナ州に向かった事を知ったベックは後を追うが、バーンズは各地で殺人を犯し逃走する。FBI捜査官のクレスラーが現れベックに捜査の協力を要請する。



「特捜刑事マイアミ・バイス」のドン・ジョンソンが妻に逃げられ安アパートで寂しく暮らす老眼鏡が手放せない中年刑事ベックに扮し、、



凶悪な白人至上主義組織を追って全米各地を飛びまわる社会派色の強いポリス・アクション映画です。



クリスマスのコンビニで黒人のオーナーと駆けつけた警察官が射殺される事件が発生、、



ロサンゼルス郡保安官事務所の刑事ベックは仮釈放中の強盗犯バーンズが犯人だとにらむ。



ベックは保護観察官と共にバーンズの滞在先に乗り込み、、



バーンズが仲間を連れアリゾナ州へ旅立った事を聞き出す。



アリゾナ警察から連絡を受けたベックは地元の保安官とバーンズの潜伏先に向かうが、バーンズに反撃され逃げられてしまう。



ベックの前にFBI捜査官のクレスラーが現れ捜査への協力を要請、、



ベックは白人至上主義者の組織であるアーリアンネイションのリーダー、ゲブハルト牧師にたどり着く。



コロラド州にあるゲブハルト牧師所有の訓練施設をベックは黒人保安官のディクソンと乗り込み家宅捜索をはじめるが、、



70年代に「フレンチ・コネクション2」や「ブラック・サンデー」などアクション映画の傑作を放ったジョン・フランケンハイマーが監督、、



当時のパワー溢れるダイナミックな演出には及びませんが、「フレンチ・コネクション2」でも見せた市街地でのフットチェイスもあり、、



ベックが容疑者を追って走りまわり、気持ち悪くなってゲロを吐くシーンもあります。



大量の武器を持つ白人至上主義組織のバーンズたちがマシンガンを乱射しまくる派手な銃撃戦もあり、、



「特捜刑事マイアミ・バイス」のソニーとは違いドン・ジョンソンが泥ドロボロボロになりながら命がけで戦う姿が熱いです。



ベックに接触して来たバーンズとベックが繰り広げる緊張感のあるカーアクションに、、



車や商店の爆発などフランケンハイマー監督作品らしくアクションシーンはめちゃくちゃ迫力があります。



地下に掘られたゲブハルトの基地を舞台にしたクライマックスの大銃撃戦も、、



70年代のアクション映画を思わせる骨太な演出でめちゃくちゃ見応えがあります。



ベックがロサンゼルスからアリゾナやコロラドなど全米各地を転々としながら捜査を進め、、



人種差別的な警察官がいたり黒人だけの保安官事務所があったりとベックが出会う人々のキャラクターもしっかりと描かれています。



本作のストーリー展開もなかなかリアルですが、映画公開後に白人至上主義組織とFBIが攻防戦を繰り広げたり、、



オクラホマシティ連邦政府ビル爆破事件があったりと実際に白人至上主義組織による事件が発生した事からリアルさが増した作品です。



事件が解決しFBIが記者会見を開き、手柄はクレスラー捜査官に全て持っていかれるが、、



共に戦ったベックと黒人保安官ディクソンの間には熱い友情が、、



笑顔のベックのアップとゲイリー・チャンによる音楽が流れるエンドロールも爽やかな余韻を見せる傑作です。



製作総指揮も「フレンチ・コネクション2」「ブラック・サンデー」のロバート・L・ローゼンが手がけています。