仕事や家事に追われている、二児の母である友人は、ついつい夫に対し、「馬鹿!」といってしまったそうです。
睡眠時間も十分にとれず、とにかく毎日が過ぎ去るように忙しいですから。些細な夫の一言にいら立ちを覚えたのでしょう。
その時、その場にいた幼稚園の子供に思いもよらないことを言われたそうです。
「ママ、馬鹿っていっちゃいけないんだよ。
いわれた方は悲しいでしょ?」
友人夫婦は子供に対して、汚い罵り言葉を使うことのないようにしっかりと教育をしているからでしょうが、子供はその教えをしっかり頭に入れていたようです。
そのために言ってはいけない罵り言葉を、教育者である母親が使ったことは、子供にとって見逃せない“事件”だったのです。
親としては、いかなる理由があろうと失態であり、自分も反省しなければと思うと同時に、子供がこんなことを言うようになったのだと成長を感じているようです。
この「馬鹿」という言葉は、一般的には罵り言葉ではありますが、今回は仕事や育児に疲れ果てた精神状態の時に思わず使ってしまったわけであり、本当の意味においては、決して罵るつもりはなかったはずです。
追い詰められたり、怒りの矛先をどこに向けてよいのかわからなくなったりするのは、大人になっても親になっても変わりませんから、ある程度は仕方のないことです。
「自分で教育しておいて、子供の手前、そんな言葉を使ってはいけないな」と、その時に親は思うのですが、子供も常に成長をしていきますから、やがてはなぜ親があの時に「馬鹿」と言ってしまったのかを理解する日が必ず来るはずです。
5歳で「馬鹿」と言ってはいけないことを理解し、10歳で「馬鹿」という言葉を使っても本当にはそう思ってはいないだろうと推測ができ、15歳でなぜ「馬鹿」と言ってしまったのか自分や相手の気持ちを察することができるようになります。
子育ては、私が思う以上に親の方が勉強させてもらう面があるのでしょうね。
ただ、話を聞く限りでは、どの母親も「毎日が大変!」との一言に尽きますが…。