「喫茶」というと皆さまはどのようなイメージをお持ちですか?

私は休日の朝早くにゆっくりと時間を過ごす際に利用していますので、
安らぎのイメージがあります。

仕事をするため、時間を潰すため、友人とおしゃべりをするため、
お気に入りのコーヒーを飲むためなどと、その用途によって異なります。

お洒落な軽食付きのカフェなのか、あるいは昔ながらのサービスの行き届いた
スタイルなのかによっても、雰囲気や利用する客層も異なるのでしょうね。


最近、私は喫茶のイメージについて話しましたが、
友人は別のイメージを持ち出してきたのです。

皆さまは「同伴喫茶」をご存知でしょうか?

若い方は「カップル喫茶」といった方が伝わりやすいかもしれませんね。

同伴喫茶は1960年ごろから流行り始めた喫茶で、
男女の密接な交流の場として人気を博しました。

お互いの顔が確認できないほどの薄暗い室内で
同じ方向に向かれた椅子が配置されてあり、おのおのが
そこで楽しむのです。
※映画館と少しだけ似ている配置と暗さになっています。

前後は椅子の背もたれがあるために見られることはなく、
横は少し間隔のあいたところに
他のカップルが利用するスペースが見えますが、
薄暗いためにそれほどお互いが見えることはありません。

そこで男女が好きなことをし合うのですが、
最初にドリンクを注文することが前提となるといえども
果たしてこれが喫茶といえましょうか…?


今から40年ほど前の性事情も興味深いものがありますね。

一昔前は、人前で男女があからさまな行為をすることは
はしたないとも言われていたのでしょうが、
時代は進むにつれて、日本の若者の意識も
エスカレートしていく過程がうかがえますね。

いくら薄暗いといえども、壁などの仕切りがないために、
声は聞こえますし、また相手の動いている様子はなんとなく把握できてしまいます。

現代においては、インターネットや書籍、口コミなどで
成人向けの情報は容易に手に入りますから
野外での営みや露出などはさほど珍しくないとも言えます。

しかしながら、この当時は情報量が少ない中で、女性をどのように扱い、
そして他人が側にいるという環境でスリル感を味わることに
刺激を感じたことでしょうね。

私の友人は当時高校生で、それは多くの女性を同伴喫茶に連れ込んだのです。

喫茶といえば「ホテルはだめだけど喫茶なら…」という心理にさせてくれる
響きですね。

ところでこの同伴喫茶ですが、様々なカップルの形態が見られます。

お互いの体にさわったりする程度が基本なのでしょうが
ベテランのカップルの中には、上手に“本番”とうものを始める人もいます。

男性がもたついていて、女性側が冷めてしまうケースもあります。

また、そんな気分になれずただひたすら真面目な話をするだけで終わるカップルもいれば
女性側に怖いと泣かれ、拒否をされる場合もあるのです。

そして同伴喫茶に入る勇気を最後まで持てずに
結局そのお店の前を通り過ぎてしまった方もいるそうですね。

男としての度胸を試す一つの場所であるようにも感じられます。

私の友人は当時は、とにかく複数の女性を試し、経験を重ねることを目的と
していたのです。

相手の女性の気持ちも様々で、遊び気分の乗り気の娘もいれば、
本気でお付き合いを望んでいたのに
軽々しく扱われていたと悲しみ、拒否をされたこともあるそうです。

「30人の女性と付き合えば、皆が皆
上手くいくはずがないよ。」

その方は、複数の女性を駆り立てた同伴喫茶を二十歳そこそこには卒業し、
後にはご自身の奥様や、本当に大切な友人とのつながりを大事にしています。

若いころの複数の女性を相手にした日々は、楽しくもどこか虚しい、
そして人生において大切な経験だったと語ります。

「若いころに、たくさんの女性を傷つけたかもしれないし、
自分はいい加減だったかもしれない。」

その経験は後々、理想のライフスタイルや
人を愛する気持ちを手にすることができたのでしょうね。


「喫茶」というとコーヒーを飲むイメージですが、
度胸試しや失敗を経験する場でもあるのです。